11日目 帰省前準備(荷物編)
彼曰く、家に何があったかの確認を、脳内で済ませようとするズボラ。
***
旅行と言えばキャリーケース、飛行機、サングラス。
リッチなバケーションを過ごそうという輩には、陽気な性格のポケモンが身に付けていそうな似合うもの。
そんなポケモンではないし、そもそも人間の私には、キャリーケースもなければ、飛行機を使うほどの田舎でもなく、サングラスをすれば真っ暗でグラついた視界に足腰立たなくなってしまうので、細々とした荷物で十分。
そして気づくのだ。
私がここ2年間、旅行という旅行をしたことがなかったのだということに。
大学時代、サークルの旅行で重宝していたキャリーケース、母からプレゼントされた通学用のシステムリュック。いずれも穴が開いたり、見た目が古いという理由で捨ててしまったのだ。
今の私には、数日分の着替え、パソコン、小説、タブレットに財布や土産などをまとめて運べる便利なかばんがない。日帰り帰省や2日くらいの帰省なら、最小限の荷物をトートバッグに入れれば何とかなるけれど、今回は贅沢に5日間。さすがにちょっと考えもの。
私の帰省準備は、どのリュックを買うかを決めるところから始まった。
選ばれたのは無印でした。
いろいろと悩ましいものはありましたよ。Nordace Siena、THE NORTH FACE、LOGOS、ARCTERYX。垂涎モノばかりが候補として上がるなか、コスパ最強普段使いもできてしまう、何より今すぐに用意できる、という理由で選ばれたのは、無印良品の「肩の負担を軽くするリュックサック」でした。
色はグレー。パソコンもタブレットも化粧品セットも詰め込めて、下着3セットと軽い着替え3着くらいなら入るサイズ。布地の重めなカーディガンやニットは入らないけど、暖かいことを信じて薄手のもので攻めれば何とか生きていけるはず。
雪国に行こうって言うんじゃない、南下するんだから多少はあったかいやろ。
ことなかれ精神に今だけは寄り縋りながら、買ってきたリュックに着替えを入れていく。同じく今日買った化粧品ポーチも入れて準備万端。
下着3セット。
ユニクロのエアリズムUVカットTシャツ(長袖)、2着。
ユニクロデニムジーンズに、ユニクロのスウェットギャザーパンツ。
化粧品ポーチには導入化粧液、ハーバル化粧水、ハーバル乳液、日焼け止めミルク。いずれも無印。
持っていく小説は『かがみの孤城』上下巻。早く電子書籍ユーザーになりたい。
それと脚本術について、読む余裕があれば。
iPad、iPhone、ノーパソ。それぞれの充電器具。
メモ帳とペン。
それに財布、眼鏡ケース、目薬。
花粉対策で鼻炎薬と常備薬。予備のマスクも入れておく。
トートバッグには入りきらなかったカーディガンと、朝に買ったペットボトルの水とお菓子。
駅に行ったら実家へのお土産も買わねば。それはトートバッグに入れるつもり。
今回の旅のお供はこれくらい。
しばらく帰っていない、久しぶりの実家での数日間。
果たしてちゃんと羽を伸ばすことができるのだろうか・・・。
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