26日目 北京オリンピック
彼曰く、北京、オリンピックなんてやってたのね。
***
選手たちには申し訳ないながら。
オリンピックの存在を完全に忘れていました。
4年に一度のオリンピック。夏と冬に行われているから、「オリンピック」という名称だけで言えば実際には2年おきにその言葉を聞くことになる。
なのに私の記憶にあるオリンピックは、たいてい夏のものが多いのはなぜだろう。
たぶん、冬のオリンピックはなじみがないからだろうな。
少なくとも小学生の頃はそう思っていました。
私が生まれた年代的になじみ深い大会は長野オリンピックやアテネオリンピック、トリノオリンピック。それ以前のオリンピックは耳馴染みがないので、私にとってはないも同然。歴史の一部という感じです。
もう一つ決定的なのは、私自身がスポーツにさほど興味ないということ。人生の重要項目の中に「体を動かす」が入らず「食」「睡眠」が大半を占める私にとっては、スポーツの意義が失われていました。
実際、スポーツマンガやアニメには子供のころから興味を持てず、進められてもすぐに飽きてゲームとか勉強とかに興味を持っていましたし。当然、オリンピックに対する関心も沸きませんでした。
転機となったのは何だろう。やはりボルトでしょうか。
ウサイン・ボルト。ジャマイカ代表の陸上選手が打ち立てた人類の記録は、スポーツへの興味云々の前に「最速」と関される記録を打ち立てた人間そのものへの興味に昇華されて、自然と画面を見つめる時間が増えていったように思います。
そしてリオオリンピック。
ボルトを含む、史上最速とも思われたジャマイカチームに対し、「侍ジャパン」らしい登場を見せた日本チームは、彼らに対抗して見せた。
結果的にはジャマイカに続く銀メダルでしたが、勝利に執着した男たちの追い上げ、粘り強さ、研究分析を経た素晴らしい結果として、歴史に残る勝負を見せてくれました。
あれほどの興奮は、部活の大会、個人戦で準優勝したときほどの喜び以来です。
世間的に見たら小さな銀メダル、でも私にとっての大きな銀メダルと重なった日本の準優勝は、オリンピックというコンテンツに興味を向けるきっかけになったと思います。
それに続く形で開催された平昌オリンピック。
スピード感のある勝負が好きな私はスピードスケート競技で快進撃を見せた日本チームを応援していました。
同じように番狂わせを演じたカーリングのロコ・ソラーレも記憶に新しい。
実家を出て一人暮らしを始め、自由な時間に自由に好きなものを見れるようになったからこそ、オリンピックを見るようになっていたのかもしれません。
とはいえ、興味を向けるきっかけになっただけで、毎日のように食い入るほどは。
最近は仕事で見ている暇もないし、テレビっ子だった幼少期とは打って変わって、自分の好きなアニメやドラマしか見ない偏食家になった私は、スポーツはSNSのハイライトでしか見ないような人間になっていました。
そんな人間がたった半年差で行われることになった冬季オリンピックに気付くはずもなく。
コロナで東京オリンピックが延期になったことも原因な気がします。
東京2020?なんそれ。
形骸化した大会名を見て鼻で笑ってしまいましたからね。すっかり興味を失くしました。
仕事でそれどころではなかった、というのもありますが。
それでも人間いろいろな人間模様が見れるところに価値があるのがスポーツの祭典。
ハイライトだろうが、大会後のインタビューだろうが、興味のわくものがないわけではないのです。
結果とともに、選手たちがどんな心づもりで大会に臨み、その結果を受け止めたのか。
結局は自分の好きなものしか見ないわけですが、その中にも面白みを感じながら見て行こうと思います。
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