10日目 おはよう
彼曰く、お試し月間は初回の失敗を認めます(なお、失った時間の返還不可)。
***
「おはようございます」
朝の挨拶。
日本では定番のこの言葉。
実は朝の時間帯以外でも難なく使われている、社会人にとって非常に便利な言葉だ。
外出して、カフェの店員さんとか、近所の知り合いのおばさんとか、何かしら目上の人に会った時には言わない。
いわゆるお昼時のプライベート、という場にはなかなかそぐわない言葉なのだ。
「こんにちは」「どうも」「お世話様」
そんなところだろう。
でも仕事にかかわる何かでの挨拶だと、大体の人が「おはようございます」と言う。
いつから言い出したのかは知らない。
言葉の起源なんてそれほど気にすることもなく使っているから、誰が誰に対して言い出したのかはわからない。
でもこれだけは言える。
何も考えずにとりあえず出勤時に口にしている言葉だけど、一つだけわかることがある。
この言葉から、私たちの一日は始まるんだ。
朝起きて最初に言う言葉が「おはよう」だと、不思議と心地いい。
気持ちが晴れやかになるというか、体が覚醒したような気分になるというか。
さっきまでの眠りで沈んでいた思考の波が徐々に勢いを取り戻してきて、砂浜をたたく力が強くなってくような。
口に出すと、背筋がしゃんとする。
ピンと張って、体が大きくなってように感じて、なんだかとても気分がいい。
これは気のせいに違いない、その通りだ。
学生のころなんて「おはよう」なんかよりも「お疲れ様でーす」と言って始まる朝ばかりだった。
朝から疲れていること前提で挨拶するなんて、今考えるとなかなかに失礼だ。
これからさらに疲れることをしようとしているのに…、気持ちまで疲れてしまうじゃないか。
人生2周目が始まったとしたら、そんな独り言の後に豪快に言い出すと思う。
「おはよう」って。
朝早く目覚めると気分がいい。
挨拶する声も出やすい気がする。
ここしばらく生活ペースがずれていたけど、まずは起きることから。
簡単なことから習慣にしていこうと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます