12日目 ばっさり

彼曰く、うなじが見えるって、罪よね。


 ***


昨日で歩いて思った。


 今年暑すぎ、熱すぎ。


毎年思う感想を、まるで人生で初めて抱いたように思ってみる。

いつものことじゃん、なんていうのはわかりきっていることだけど、どうしても一言つぶやかずにはいられない。

地球温暖化とか、梅雨明けにうだるような湿気の中に飛び込んできた容赦のない日差しとか、ヒートアイランド現象とか。

この世で一番便利で、一番居心地の悪い場所に感謝と怒りを感じながら、今日も私は生きていかないといけない。


そんな環境をよくするにはどうすればいいか。

住環境はすぐには変えられない。

引っ越しは時間がかかるし、かといって冷房はつけたくない。

風邪ひくのが怖いからね。

もっと根本的に直そうと思っても、世界を冷気で覆うことはできない。

青キジじゃあるまいし、アイスエイジを人為的に起こすことはできんのですよ。


じゃあどこを変えるか。

自分を変えるしかないのよ。

服装はもう限界、夏服はただでさえ薄いのだから、これ以上薄くするには裸一貫で外出しないといけない。

まだお縄につくには若すぎるし、理性も倫理観もちゃんとあるつもりだから、そんな野生児みたいなことはできない。

オオカミに育てられたらしいアマラとカマラじゃあるまいし。

あれ、嘘っぱちらしいけどね。


そんなわけで美容院に行ってきました。

我慢してたけど、襟足の毛量さすがに増えすぎ。

肌に張り付いて不快なこと極まりない。

これを機に伐採してきます。

大伐採、この世に農業が生まれた時と同じように、邪魔なものを刈り取ることから始めようというわけです。


久しぶりの刈り上げ、そして最近ハマっているセンター分け。

「刈り上げちゃっていいんですか?」

という美容師さんの言葉は聞こえなかったことにして、割と短めにしてもらいました。

カットだけだったので40分ほどで終了。

さっとシャンプーをしてさっぱりした自分とご対面。

それにしてもだいぶ久しぶりでした、

椅子の下に積もった自分の髪の量を見て驚きました。

道理で頭が重かったわけだ。

しばらくこの髪型で行こうと思っているけど、よく考えたら前も同じくらいにカットしてもらっていたのを思い出した。

あれから4か月、さすがに伸ばしすぎ。

「次はもう少し早く来てくださいね」

気に入った髪型のキープには定期的なメンテナンスが必要なのね。

夏の間にまた行かないと。

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