16日目 ナウシカは聖女

彼曰く、ずっと買いたかったけど買っていなかったもの、第1位。


 ***


漫画版『風の谷のナウシカ』を買った。

好きなジブリ作品の一つ。

厳密にはスタジオジブリが興る前、トップクラフトという製作現場で作られた。

だからジブリ作品というよりは宮崎作品と言った方が正しいと思う。


このアニメは子供のころに見たアニメの中では群を抜いて一番見たアニメだと思う。

アニメと言うものがどういうふうに作られているのかも全く知らない頃から親しんでいて、金曜ロードショーはもちろん、ビデオデッキで毎週土日に観ていたくらい。

テレビっ子だった私は、テレビ番組を見るというよりは、好きなアニメの録画やビデオ、DVDをひたすらに見る子だった。

齧りつくようにして観ては、お母さんに「近いからもっと離れて見なさい」って怒られたっけ。


『風の谷のナウシカ』はアニメとして仕上がりが素晴らしく、セル画の時代でこんなにたくさん動かしているのか、と驚かされる。

働く現場に立った今となっては、改めてその凄さを実感している。

原作者であり、アニメ監督でもある宮崎さんの脂の乗っている時期。

数ある宮崎アニメの中で長編アニメ制作に乗り出した序盤の作品の中で一番好き。


しかもナウシカはもっと息の長い話で、よく言われているのが原点に当たる漫画の4分の1くらいしか映像になっていない。

宮崎さんのナウシカへの愛が強すぎて、アニメ映画が作り終わったら漫画も終わらせるつもりだったのが、気づけばそこから10年も連載を続けていた。

『ラピュタ』とか『トトロ』とか『もののけ姫』とか、他にもいろんな作品の原案を考えながら『ナウシカ』を書き続けることができるのは素直にすごいと思う。

尊敬する。


幼少期に読んだ『オデュッセイア』に出てくる王女ナウシカーがベースになっているというナウシカ。

心優しき主人公は谷の人々だけでなく違う国の人、敵対する人、果ては自分たちを脅かす腐海や蟲にさえ愛情を見せる。

アニメではトルメキア帝国との対立する形で、腐海に対する愛情が色濃く出ているけど、漫画ではそれ以上に他の種族との交流が描かれている。


実は漫画をちょっとだけ図書館で読んだことがあったのです。

3巻と5巻だったかな、それしかなくて私の知らないナウシカ世界がそこにあった。

それ以来ずっと買って読みたいと思っていたけど、手が伸ばせなかった。

なんかちょっと気合いがいると思ったから。

簡単に理解できるとか言えないなーって。

でも遂に買ってしまった。

私の手に宮崎さんの世界が降りてきた。

これは心して読まないと。


アニメで素晴らしい人柄を見せてくれたナウシカ。

漫画ではどのような聖女として描かれているのでしょうか。

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