18日目 ギラギラ

彼曰く、輝いていこうぜ、このうざったい卑屈な世界を。


 ***


先日話した『うっせぇわ』でデビューしたAdo。

ついこの間新曲を出していました。


『ギラギラ』


もともと歌い手として活動していたこともあってか、

デビュー以来、その独特な歌唱法が注目されているようです。

『うっせぇわ』では特に如実に分かれていましたね。


「ちっちゃな頃から優等生 気づいたら大人になってた」

幼い印象の声で、少しばかりはきはきしたような感じに聞こえます。

「ナイフのような思考回路 持ち合わせるわけもなく」

なんとなく大人な感じで落ち着いた声色に聞こえます。


なんとなくのイメージにはなりますが、歌詞の内容をよく見てみると、

内容のイメージや意味とリンクするような歌い方をしていると気づきます。

「はぁ゛ぁ゛?」なんて一番感情が溢れてますよね。

あそこ大好きです。


女子高生の感情をストレートに乗せた楽曲は、

今の若者の心情を全部乗っけたような正直さと初々しさと底意地を感じます。

単純だけどどこか馬鹿にできない、そんな強烈なインパクト。

次はどんな歌を歌ってくれるのかと期待していました。


『ギラギラ』

公開は2月14日、バレンタインデーです。

恋に恋する若者たちで溢れるこの日に公開したということは、

おそらく恋に関する曲じゃないかな・・・。


そう思っていましたが、やはりデビュー曲から変わらないイメージです。

力強く、現実に対する不満が爆発した歌詞。

思わず歌いたくなる感情の乗った歌い方。

昨日書いた物語調の音楽はそそられるものがあります。

心の底に隠した本音を引き出して吐き出させる魅力があります。

「こんな歌があるんだから本音くらいぶつけさせてくれよ!」

まるで若者の本音の免罪符になってます。


たとえ愛されないほどに顔が醜くても、

世界が私にとっての味方じゃなくても、

溜め込んだものを卑屈で満ちた世界にぶつけてやって、

自分なりの武装メイクアップで強く生きてやる。

愛されなくても恋愛してやる、好きな気持ちはなくせないんだから。

どうせなら無我夢中に走って、輝くように生きてやる。

ギラギラ、とね。


サビの部分の上がり方が個人的に好きです。

歌うのに合わせて感情がどんどん形を成して、大きくなって、

吐き出せる気持ちも大きくなるからです。

心情が乗りやすい音楽は、自分の気持ちをいかに乗せて気持ちよく歌えるか、

が大事だと思っています。

元歌い手、ボカロ世代で育ってきたからこそなのか、

歌詞と歌い方がマネしやすく、飾らない気持ちですっきり歌えます。

歌い終わったら爽快、気持ちよくなれるので素敵です。


生きるのに疲れたけど、これから立ち直っていきたいな、

と思っているときに聞くと頑張れるかもしれません。

そうですね、私もこれからが大事です。

ギラギラに輝いてやるよ、全部ひっくるめてな・・・。

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