17日目 白菜

彼曰く、祖母からの贈り物。


 ***


白菜っていいですよね。

この時期の旬、白菜はいろんな使い方ができるので嬉しいです。

祖母からのおすそ分けはなかなかないので嬉しいです。

ま、私直接あてではなく、叔母あてなんですけども。

やはり娘の方が大事ですか、おばあちゃん・・・。

私にくれてもいいんですよ?


叔母から連絡があって、「多すぎるから貰ってちょうだい」と言われ数日。

土日に貰ってもよかったのですが、まだ仕事が忙しくなる前なので、

早めに貰う約束をしました。

葉野菜は足が速い。

気を抜いたらすぐにしおしおになってしまって、

味も食感も落ちてしまいます。

少しでも早めに頂いておくのが、農家の孫としてのポリシーです。

もとい、食べるのが好きならもらえるものはすぐもらう。

寒いこれからの季節の主役ですから。


白菜が本当に美味しいのは冬の寒さを越えてきた1月以降ですが、

今の時期でも十分に美味しいので問題なし。

実家は雪の積もる地域でもないので、白菜の真骨頂は味わえませんが、

そこは調理の腕次第。

何を食べるか、どう味付けするかが肝要です。


白菜はキャベツと違って切るのが楽しい。

キャベツは物によって「キュゥ、キュッ」といや~な音が出ます。

黒板に爪を立てて動かしたり、ガラスを指でこすると音がするのと同じ。

でも白菜は基本的に水分が多いのでざっくり切れる。

サイズも大きいので達成感が段違い。

料理は苦手ではないですが、大きいものを切っていると上手になった気分。

まな板の上で野菜が揺れるたびに口から「おお~」という言葉が漏れてしまう。

口角も自然に上がっていました。

ヤバい、料理って楽しいのね!

知ってた!


白菜で料理と言えば鍋。

キムチ鍋、味噌鍋、鶏白湯鍋。

味付け次第で白菜はどんな色にも染まってくれる。

切る時はしゃっきりだったのに、食べる時にはくったくた。

だし汁の温かさを存分に吸った白い葉っぱ。

鍋の味そのままもよし、ポン酢やゴマダレもよし。

食べ方色々、作り方も色々。

どんな白菜も私は好きよ。

美味しいものに罪はないのだから。

半玉だけと聞くと少なく聞こえるけど、

貰った白菜は30センチ越えの大物。

立派な白菜は存在感が凄い。

まな板の横にまだ4分の1玉と半分がまだ残ってる。

これはしばらく鍋ループ。

抜けられない迷宮にいま、私は入り込んでしまったのでした。

次は何鍋にしようかな。

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