26日目 遠くでランチ

彼曰く、ときには昼から食べたいものを。


 ***


「焼肉が食べたい」


先輩の鶴の一声で、今日のランチが決まった。


 ***


平日昼下がりのご飯時。


何を食べようかという話になっても、

いつものメンツだと大体行くところが決まってしまう。


いつもの先輩と私、私付きの後輩ともう1人別の後輩。


後輩2人は普段から外食が多いので、周囲の店の常連になりつつあるらしい。


よくいくパスタ屋さんに行けば、「いつもので」で注文もできるんだとか。

1人で行くと「今日はお連れさんはいないんですか?」なんて、

ドラマとかでしか見ないようなセリフが飛んでくるって。


いつの間にこの世界は創作物と同じレベルになっていたのでしょうか?

ちょっとしたロマンスとかも起きそう。

自分が当事者になるのはちょっと足踏みするけども。


入社6年くらいの先輩がそういうのはわかるけども、

まだ1年に満たない後輩がそうなるとは。

世間は狭いんだなぁ。


対して私は普段からお弁当が基本。

たまに外に食べに行くことはあるけれど、誘われるか、

一緒に行く約束をしていないとなかなか外食はしない。


平日の昼から外食するのはなんだかもったいない。

休日にゆっくりいいものを食べに行くのが私のスタンス。

5日間外食で金を飛ばすより、

2日間外食でまったり過ごした方が、ちょっとお得に感じる。


なのに使う金額がそんなに変わらないのは、

きっと帰り道の買い食いが多いから。

そろそろ気をつけねばとは思っているけれど、お腹が空くのは仕方がない。


それに食べたいという欲求はなかなか消せないから曲者だ。


それが大好きなもの、無性に今すぐ欲しいというものであればなおさらの事。


 ***


とりあえず駅前の方に移動してもまだ決まらない。


「いつもの店に行くのはなんだか気分じゃないなぁ」

「もう少し違う場所に行きたいなぁ」


微妙な線引きと堂々巡りの脳内店ループ。

何度か押し問答を繰り返した結果、先輩がハッとしたように顔を上げた。


「そうだ、焼き肉を食べよう!」


平日、しかも金曜日にもなって、平日の昼から焼き肉とは。

なんという罪深い発言なのか。


そう思いはしたものの、他3人も特別行きたいところの候補もなく。

単語を聞いた瞬間に焼き肉で頭が支配されてしまったのか、

「いいですね、行きましょう!」

二つ返事で隣の駅へ足を向けたのです。


 ***


昨日の話ではありますが。

平日ランチとなるとまだ仕事は残っているわけで、

遠くと言っても2,3駅離れてしまうと時間がかかりすぎてしまうので、

隣駅までなら許容範囲です。


田舎の実家だったら考えられないこと。

東京の駅間距離って本当に短いんです。

歩いて20分くらいしかかかりませんから。


ちょっとした小旅行で向かう先はお得な焼き肉定食があるお店。


立ち寄りやすい場所にある手軽なお店の雰囲気ながら、

自分で焼いてから食べることができる。


わりあい本格的なお店に後輩たちも驚いた様子。

紹介した甲斐がありました。


毎度のごとく私プレゼンツなわけですが、

紹介するときはいつもドキドキ。


口に合うか、気分に合うか、希望に合うか。

いろんな心配を乗り越えた先に見える「美味しい!」の笑顔。

しかも1500円くらいでご飯大盛が無料。

スープとキムチもついていて、肉の量もなかなかにボリューミー。


定番の店に飽きた時に最適なお店。

私にも焼き肉を食べたいタイミングが別でありますけど、

ランチで無性に食べたくなったときはここに来るのもいいかもしれない。


いいお店を知っておいてよかったと常々思います。

ときどき実施の休日贅沢ランチ。

それがこうした形で実を結ぶのはうれしいものです。

たまには外食ランチもいい。

疲れたときとかにまた来ようと思いました。

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