初恋
勝利だギューちゃん
第1話
初恋
淡く切ない
かなりの確率で敗れ去る
色づいていた君も、セピア色となり、白黒となり、無色透明となり・・・
消えて行く。
それでいいし、そうあるべきだと思う。
でも、時々は開けてみたくなる。
心の中の金庫に保管されている、淡い記憶に・・・
≪久しぶりだね≫
「覚えていてくれたんだね」
≪こっちのセリフだよ。私の事を、覚えていてくれて嬉しい≫
あれから随分経つ。
彼女も、もうかなりのおばさんになっているが、心の中の彼女は、最後に会った時のままだ。
≪今、私がどうしているか気になる?≫
「気にならないと言えば、ウソになる・・・でも・・・」
≪でも?≫
「幸せには、なっていると思う」
≪どうして?≫
「君自身が、わかっているはずだ」
そう・・・
彼女の周りには、人が集まっていた。
人を引き寄せる魅力があった。
その他大勢の僕とは、違っていた。
「羨ましかったよ」
≪何が?≫
「君と仲の良かった人が?」
≪その心は?≫
「僕も君と、思い出作りたかった」
それは半分は嘘だ。
もし、思い出があれば辛いだろう・・・
もう半分は・・・
≪私は、待っていたんだけどな≫
「何を?」
≪君が、声をかけてきてくれること≫
「僕に出来ると思う?」
≪信じてた≫
ウソだな・・・
でも・・・
≪また会いたくなったら、いつでも呼んでね。あの時の私のままで待ってるよ≫
「いつになるかな」
≪君が、私の事を少しでも留めておいてくれたら、私は現れるよ。あの時のままでね≫
初恋 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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