第160話 ヤーガの大和のここがいい。6
「それで、ヤっちゃんはウチに何を聞きたいんだい。――――って言わなくても何となくわかるがね。」
お風呂に浸かったツィマットに付いて行ってヤーガもお風呂に入ろうとした。
「っと、その前に、タオルはお湯に浸けちゃダメなんだぜ。」
と、頭の上にタオルを乗せたツィマットがヤーガに教える。
「え、そうなのですか。う、う~ん。」
「なんだい、今更恥ずかしがることも無いだろ。」
そう言って自分の胸を持ち上げるツィマット。
「ソレもそうなんですけど、改めてみせると思うと恥ずかしくて。」
「おうおう、可愛いこと言うじゃねーかねーちゃんよぉ。そんなこと言われたらいじめたくなっちゃうなオジサン。」
「ひぃう。」
「ハイハイ、キティちゃん。そういう冗談は自重してください。」
「キティちゃんはやめてって。あと冗談のつもりじゃないんだけど。」
「ならばなおのこと自重してください。」
暁がツィマットをたしなめながらヤーガの肩を持つ。
「ヤっちゃん、こういうオジサン女子は同性でも許しちゃいけないのよ。ガツンっと言ってやらなきゃ。」
「ガツンですか。」
「へっへっへ、オジサンこれでもちょっとやそっとじゃ堪えないんだぜ。」
「キティちゃんってヘンタイさんで可愛いですよね。」
「がふぅ、何故だ。何故変態さんで可愛いになるんだ。」
「何故って?可愛いものは可愛いですよね。」
「ごめん。ウチが悪かったからそれやめてぇ。」
ツィマットは涙目になり懇願した。
「ヤっちゃんやるわね。」
「そうでしょうか。」
「そうよ。と、タオルだけじゃなくて髪の毛もお湯に浸けちゃだめだから、私が結ってあげるわ。」
「ありがとうございます。」
「キマシタワー。」
「何か言いましたか。」
「何でもないです。」
そうこうして3人で湯船に浸かれば、
「改めて、ヤっちゃんが聞きたいことってやっぱり甲種兵装のこと。」
「甲種兵装?」
「大和の主力兵器群のことだよ。違ったかい?」
「はい、違いますね。ヤーガは戦争にはかかわらなかったので兵器とか興味ありません。」
「ありゃりゃ、それじゃぁウチに何を聞きたかったんだい。」
「あの「ジュウキ」という技術や科学というものについて知りたいのです。」
「う~む、より踏み込んできたなぁ。しかしなんで科学を知りたいんだい。」
「ヤーガは先ほど言いましたが他文化に興味があります。そしてダーリンはこの街を多文化の交流拠点にするといっていました。」
「あぁ、それはウチ等も知っているよ。」
「その街づくりに魔法の技術と大和の技術を合わせていこうとしていますよね。」
「今は会議ばかりだけどな。」
「それはウルタールからの使者が到着するまでの間だと伺ってます。しかし、それを待っている間に学べることを学んでアイディアを出しておきたいんです。」
「なかなかに勤勉じゃないか。それには賛成だ。じゃぁ先に魔法のことを教えてくれないかい。」
「構いませんよ。ヤーガたちは別に大和の技術を手に入れろとまでは言われてませんから。」
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