第7話 「わたしは日本人ではない」
政治哲学者ハンナ・アーレントによれば、彼女は自分がドイツ人であると思ったことはないという。いっぽうで、彼女は自分の母国語であるドイツ語が自身の存在にとって本質的なものであるとも言っている。彼女のひそみに倣って、ぼくは、「わたしは日本人ではない。日本語話者である」と言ってみたい。
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