転校してきた女子高生はメチャメチャ美少女で、しかも完ペキに哲学者だった
廣木烏里
転校生が美少女すぎた
僕の名前は
自分で言うのもなんだけど、顔とスタイルはそんなに悪くない。でも、学校で目立つことも好きじゃないし、告白されたこともない。
「マイペースに生きる」がモットーだ。
帰宅部は一番いい。暑苦しい先生に怒鳴られることも、放課後の自由な時間を奪われることも、無理に走り回る必要もないから。ただ、モテないのがちょっと切ないけど。
でもとにかく、「面倒くさい」ことはごめんだ。ただでさえ、人生は面倒だし。
朝早く起きるのも。学校へ通うのも。つまらない授業を受けるのも。毎日ご飯を食べるのも。明日起きるために眠るのも……本当に嫌になる。
「起立〜! 気をつけ、礼! おはようございま〜す」
「はい、おはよう」
担任の
ライトブルーの制服に、黒髪のロングストレート。身長は低め。超美少女。細めのメガネをかけている。クールそう……。いや、可愛いすぎる!
「はじめまして。
うつむいた感じで話す仕草に見惚れていた。
東京かぁ。どうりで可愛い制服だよなぁ。てか、顔が可愛すぎるって!!
「じゃあ、星奈はリクの隣の席に座ってくれ」
え! 僕の隣? やばいやばいやばい!!
彼女はスッと席についた。まるで猫のように美しい身のこなしで。
「今日からよろしくお願いします」
「うっ……、うん。よろしく」
やばいやばいやばい!! 顔見れない。
何で僕の隣の席なんかに!
タナセンが言った。
「星奈。わからないこととかあったら、リクに聞いてくれ。リク、頼むぞ」
なんて勝手なことを言うんだ……。
あ〜、これは面倒なことになったぞ。どうせ僕なんて見向きもされないのに、隣にいられると意識してしまう……
いや、僕がやるべきことは、とにかく彼女を意識しないことだ。モットーは「マイペースに生きる」。どんなに彼女が可愛くたって、自分のペースを乱されてはいけない。そのうち彼女も友達ができて、すぐに彼氏もできるのだから。
そう自分に言い聞かせることに精一杯で、この日一日、僕は授業という授業がまったく耳に入ってこなかった——
放課後。
教室を出ると、ようやく気持ちが落ち着いた。
そうだ、こんなことに惑わされてはいけない。いつものペースを取り戻さなくては。
僕は、いつものルートで裏門へ向かった。
正門へ向かう正統なルートは歩かないことにしている。人も多いし、女子たちがサッカー部を見て「キャッキャッ」言っているのも好きじゃない。とにかくのんびり帰りたい。
だからいつも靴を履き替えると、裏側の細道から帰る。その道で、たまに
「あっ!!」
しまった! つい大きな声を出してしまった!
だって、ライトブルーの制服を着た星奈が、ニャン吉と一緒に座っていたから……。
「ひゃっ!!」
星奈は僕の声に驚いてしまって、肩をビクッとさせた。
しゃがんだままの星奈は、ゆっくり僕の方を向いてこう言った。
「リクくん、初めまして」
「え?」
この日僕は、星奈ヒマリの「2回目のはじめまして」を聞くことになった。
彼女の美しい小さな体に“大きな秘密”があることは、このときはまだ知らなかったのだ——
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます