日本海軍との合流

何だかよくわからないがあれよあれよと話が進み、気が付くと太平洋沖に第五空母航空団群を引き連れて転生させられていた、しかしここはGPSなどの便利な機械は一切存在しない世界だ、調子に乗って第五空母航空団群を頼んだが、ミサイル装備は少なくとも自艦のレーダーにとらえた後でないと発射できない、まあそれに気が付いていたわけだから大陸間弾道ミサイルなどを欲しいとは言いださなかったわけだが、今は艦隊の居場所を天測で計測しているところだ、一応神様からは太平洋上に転生させておくとは言っていたので、太平洋上のどこかだろうか、そう考えていると航海科の船員が報告に来た


「失礼します、現在地は東経百六十一度北緯二十七度の近辺です、横須賀港へは進路西北西二百九十度へ進路をとればおおむね千四百海里ほどと思われます」


そう、神様には転生後に横須賀へ向かうように言われていた、ちなみにこの艦隊用の補給物資は横須賀にあった空き地に倉庫を建てて保管されているらしい、


そのことが分かるとすぐさま艦隊を横須賀港へ向けて操艦することにした、


「艦隊進路変更、方位二七〇、ヨーソロー」


 そしてここの移動には仮に二十ノットで移動したとして一週間かかる計算である、この間の時間がもったいないので各艦の艦長などと話を詰めたりして一週間が経とうとしていた、そして分かったことがいくつかある、わかっていたことではあるが、圧倒的な技術力の差があり、この世界には向かうところ敵なしの艦隊であるということ、そして懸念としてこの艦隊がこの世界の軍事バランスをいともたやすく崩壊させてしまうということだ、史実通りであれば日本は太平洋戦争でアメリカに完敗するが、日本が負けることはないだろう、完全勝利は陸戦力の問題で難しい面があるが、それでも空対地ミサイルなどで不可能ではないと思われる、しかし艦隊の総意としては、横須賀につき次第日本側の人間と話をしてから今後の方針を定めることとした。




「初めまして連合艦隊司令長官兼第一艦隊司令長官の山本五十六です、それにしてもデカい空母ですなぁ、これならば狙わなくても爆雷が当たりそうだ、それに対空砲も見当たらない」


 まあ知ってたよ、山本五十六がとんでもない毒舌なことは、でもね、これはいくら何でも負け犬の遠吠えに見えるのは気のせいなのか、心の中ではこんなことを考えているが、さすがに顔には出さないようにした、口には出したが


「こちらこそ初めまして空母打撃群司令の山本康太です、我々は今から八十年ほど未来から来た者です、我が艦隊の対空戦力はこの世界で相手になる艦隊は全くありませんよ、それこそ今の日本の総戦力を相手にしても負けない自信があります」


 まあ半分ははったりだった、いくら何でもこの艦隊には第五空母航空団で配備されていた六隻に加え巡洋艦二隻、駆逐艦三隻、原子力潜水艦六隻、補給艦六隻の計二十三隻だ、これはいけるかと思い神様に粘ってだいぶ増やしてもらい、日本の陸上設備がなくても運用可能にはしたが、それでも数の暴力で押し負けるだろう、しかし五十六にそのようなことはわからない


「それは面白いですなぁ、ささ、立ち話は何ですので中に入りましょうか」


そう言って戦艦長門の中へと通された、さすがに連合艦隊旗艦だけはある、大きさもそうだが何より長官公室だ、大和の長官公室は有名だが、長門も捨てたものではないと思った


「どうですかな、長門もなかなかに大きいでしょう」


 長官公室に入るなり五十六に話しかけられた、これからここで様々な話し合いをすることになる、最初にある程度喧嘩腰な態度をとってしまったが、五十六とはなるべく友好な関係にしておきたいところだ


「そうですね、大和の長官公室は豪華で有名でしたが、長門も存外捨てたものではないと驚きました」


 あたり触りのない口調で話したつもりだが、五十六こそ表情を変えなかったが、近くの参謀官たちが、驚いた顔をしていた、なぜだろうと考えていると横にいた参謀官が詰め寄るように話し出した


「何故大和のことを知っている、それも長官公室のことなんぞを」


 そこで俺はなぜ急に驚いたのかが分かった、神様は五十六にこそ話を付けてあるようだが、それ以外の人には一切話していなかった、そこでほかの参謀官に自分について教えた。


ついでにお互いの参謀同士で自己紹介を済ませた


「それでまずは我々の戦力について話しましょうか」


 一通り参謀同士で友好を深めた後、話を進める、当然五十六も話に乗ってきた


「そうですな、それでそもそもそちらの艦隊の所属館を確認させていただいてよろしいかな」


「ええ、まず我々は、空母一隻、巡洋艦三隻、駆逐艦五隻、補給艦七隻、原子力潜水艦六隻です」


 そうすると向こうの参謀官たちがざわざわし始めた、なぜこのことでざわつくかが分からないが、向こうが何か質問をして来るまで何を言えばいいかすらわからない、そうして出されたお茶を飲んでいると、参謀官たちのざわめきが静まり、五十六から質問された、


「その原子力潜水艦とは何ですかな、我々はそのような潜水艦は聞いたことがありませんが」


 まあそうだろう、言われるまで気が付かなかったが、この世界に原子力兵器が誕生するのは千九百四十三年ごろだったはずだ、


「原子力潜水艦とは、原子力を用いた艦艇ですね、まあ早い話燃料補給を一切せずに二十年ほどは運用可能な船ですよ、ちなみに空母も同じく原子力艦です」


 まあこんなことで驚いていたら、日が暮れてしまうだろう、そう思いながら様々な戦力について話して行った、どうせ性能がどこかに漏れたところでそう簡単と対抗手段が出てくるとは思えない、ほとんどは包み隠さず話して行く、ミサイルなどは概念から話していたため本当に日が暮れてしまっていた、


「今日は色々と勉強になりましたわ、ここまでけた外れの戦力、味方にできたのはとても心強いものです、三日後にまたお願いします」


「こちらこそ、港を一部化していただきありがとうございます」


 結局この日はお互い話し合っただけで終わった、そして三日後に合同演習という名目で実際に五十六がロナルド・レーガンに乗り、この空母航空団の実力を見ることになった、

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