こういう着せられかたもある。

 トイレで用を足す木之瀬蘭子。すると、どこからか声が聞こえた


「赤いちゃんちゃんこ、着せましょうか?」

「……」


無視をした蘭子であるが


「赤いちゃんちゃんこ、着せましょうか?赤いちゃんちゃんこ、着せましょうか?

赤い……」


としつこい、最初は、気にせず涼しげな顔をしていたものの、

あまりのしつこさにイラつき始め、どんどん不機嫌な顔になっていく。


「ふう」


 用を足し終え、なおも聞こえてくる声に対し


「着せれるものなら、着せてみなさい」


次の瞬間、肉を切り裂く音と、


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」


と言う、低く不気味な悲鳴が、トイレに響いた。


 そして、個室から出てくる蘭子、全身、血まみれで、左手は大剣に変形している。


「どうやら、着せられてしまったようですね」


と言いながら、左手を元に戻す。


 彼女は、トイレで何かに襲われ、返り討ちにした。

その結果、彼女は、返り血を浴びたのだった。


 彼女が何を切り裂いたのかは、定かではないが、返り血を浴びた彼女の姿は、

まるで赤いちゃんちゃんこを着ているようであった。

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