ヴァーチャル・ナイン

第０話 あらすじ

　剛秀樹と秀美は小学校の野球チーム『武蔵野ジャイアンツ』に所属する六年生と五

年生の兄妹。ある日、仮想球場（ヴァーチャル・スタジアム）で『スキルカード』を

使って闘う野球のアーケードゲーム『ヴァーチャル・ナイン』が近所に導入された。

秀樹は『武蔵野ジャイアンツ』チーム全員でゲームを楽しんでいたところ、店長に年

に一度の『ビクトリー・ナイン』トーナメントの参加を誘われる。登録は無料。優勝

賞金は脅威の百万円。悩む秀樹たちに前回ベスト４のチーム『ブラックアイズ』の黒

田左京・右京の双子兄弟が現れた。「こんな小学生の初心者チームが登録すると優勝

を目指すチームが抽選に漏れる。やめておけ。当選しても一回戦の相手は最も近い店

と組まれる。つまり俺たちだ。ボロボロにして恥をかかせるぞ」と挑発される。秀樹

はムキになって登録して当選してしまう。

　試合は初回にノーアウト満塁の危機。バッターは左京。左京は激レアの『白い流星

弾』のカードを使用。打球が１０個に分裂して捕球者を襲う極悪カードだ。秀美は捕

球後に攻撃を受けボールを落としてしまう。満塁ホームラン。４対０の絶望的な点差

になる。『ブラックアイズ』は引き続きスタミナを奪う作戦で攻撃してくるが、秀樹

のレアカード『フェニックス』によるスタミナ回復で窮地脱出。最終回、秀樹は『魔

球Ｓ．Ｆ．Ｆ』を『一本足打法』で打ち返してサヨナラ勝ち。

　二回戦の相手は『札幌テクノバスターズ』。試合は『マグマ・スタジアム』のカー

ドで球場が灼熱の暑さとなり、『武蔵野ジャイアンツ』の選手は次々とスタミナを失

う。秀樹は切り札の『ダブルフェニックス』での回復を図るが、相手チームの『かす

め取り』にカードを奪われる。スタミナ切れでチームメイトは次々と代用（トークン

）と化し最終回まで３対４で１点のリード。しかし守備の人数は４人に減っていた。

秀樹たちは１点差を守りきり勝利。トーナメントの更なる勝利を目指す。