箸休め はえですよろしくおねがいします ①はえはいます。はえはどこにでもいます。
文末に今回の「まとめ」を掲載しています。
お時間のない方は、一番下まで画面をスクロールさせて下さい。
題材の関係上、気持ち悪い話が多めです。
お食事中には読まないほうがいいかも知れません。
◇ハエ
「JCファーブルの空想特撮昆虫記」には、ハエの怪物が登場します。
もちろん、怪物はいませんが、ハエ
昆虫の中で三番目に多く、現在までに約16万種発見されています。
国内だけでも、約5000種のハエが確認されています。
「まだ見つかっていないだけで、昆虫界最大のグループなのでは?」と言う意見も少なくありません。
◇全動植物の中で最大のグループ?
昆虫の中で一番種類が多いのは、カブトムシやクワガタの
2020年現在、約39万種(!)の昆虫が発見されています。
実を言うと、コウチュウ
もし昆虫の中で一番種類が多いのが、ハエ
そう、地球上に存在する動植物で、最も種類が多いのはハエ
◇昆虫界の嫌われ者
もっとも、ハエの種類が多くても、喜ぶ人は少ないでしょう。
不幸なことに、ハエは世界中で嫌われている昆虫です。
比較的昆虫が好きな男の子でも、ハエを飼おうとすることはありません。
殺虫剤やハエ取り紙の存在も、彼等の立ち位置を物語っています。
◇ハエには二枚しか
昆虫の多くは、前に二枚、後ろに二枚の
ところが、ハエ
二枚しか
学名(世界中で通じる名前)の「Diptera」も、「二枚の翼」と言う意味です。
厳密に言うと、ハエにも後ろの
とは言っても、退化して棒状になっているため、とても
◇棒にも役割がある?
後ろの
ただ切り落とすと飛べなくなるため、何かの役に立っているのは間違いないようです。
◇意外な昆虫もハエ
あまり知られていませんが、カ(蚊)やアブもハエ
ブヨ(ブユ)やガガンボも、ハエ
しかし彼等を含めても、好感度が低いことに変わりはありません。
むしろ、殺虫剤をポチりたい気持ちは強くなるばかりです。
彼等以上に嫌われているのは、黒いヤツのグループくらいかも知れません。
◇どこにでもいる!
ブンブンと飛び回るハエは、実にうっとうしい存在です。
昔の人も「
しかも屋外から部屋の中まで、どこにでも湧く厄介者です。
あまりにも神出鬼没なため、昔は自然に発生すると考えられていました。
◇世界中にいるノミバエ
実際、ハエは驚くほど多様な場所に棲息しています。
特にバリエーション豊富なのが、ノミバエ
彼等は小さなハエで、体長は2㍉程度しかありません。
大きくても6㍉くらいで、現在までに4000種ほど発見されています。
あまりに小さく、種類が多いため、専門家でも見分けるのが難しいとか。
ノミバエは
棲息域は恐ろしく広く、地球全土と言っても過言ではありません。
小さなハエが忙しく走っていたら、まず間違いなくノミバエの仲間です。
◇いない場所を探すほうが難しい!
ノミバエは水辺、森林、人家、畑とあらゆる場所に出現します。
人間の遺体を食べる
死後18年
どうやら一切外に出ずに、棺桶の中で世代を重ねていたようです。
地面に潜りやすいよう、
◇幼虫は更に多種多様!
彼等の幼虫は、驚くほど色々な場所で見付かっています。
動物のフンや死骸、植物の中や枯れ葉などは序の口に過ぎません。
驚くべきことに、鳥の巣やモグラの掘ったトンネルからも発見されています。
またノミバエの幼虫は、ハチの巣の中に棲んでいることもあります。
他の昆虫やクモに麻酔を掛け、卵を産むハチも被害者です。
巣に棲み着かれたあげく、我が子のために用意したエサを食べられてしまいます。
尚、他の昆虫に卵を産むハチについては、今後、本編で詳しく解説します。
興味がありましたら、ぜひごらんになってみて下さい。
◇ノミバエは他の生きものに寄生する!
更に多くのノミバエは、他の生物に卵を産み付けます。
中にはハエでありながら、ハエに卵を産む
ノミバエ
カタツムリにナメクジ、クモやムカデもターゲットです。
寒気のする話ですが、家畜や人間に卵を産む
卵からかえった幼虫は、宿主を食べて成長します。
「JCファーブル」本編では、話題のヒアリに卵を産むノミバエを紹介します。
とても不気味で面白い話なので、読んで頂ければ幸いです。
◇過酷な環境にも耐えるミギワバエ
ノミバエ
彼等はアメリカのカリフォルニア州に棲むハエで、ミギワバエ
ミギワバエ
沼や池の近くも代表的な
多くの場合、藻をエサにしていますが、昆虫の死体を食べる種類も存在するようです。
幼虫は水中に棲み、バクテリアや藻、生き物の死体と言った有機物を食べています。
稲や水草を食べる種類も存在するため、害虫扱いされることも少なくありません。
また種類によっては、かなり過酷な環境にも耐えることが可能です。
実際、ミギワバエ
◇原油の池に棲むハエ!?
特に研究者を驚かせたのが、セキユバエの幼虫です。
名前からも分かるように、彼等の
普通の昆虫なら確実に死ぬ環境ですが、彼等は平然と池の中を泳いでいます。
それどころか、自分から原油を摂取し、お腹を満たしています。
どうも原油そのものを食べているわけではないようなのですが、詳細は分かっていません。
現在のところは、原油の中に落ちてきた有機物を食べていると考えられているようです。
長くなったので、今回はここまで。
次回はハエのおでこに隠された秘密や、ハエとアブを見分ける方法を解説します。
◇今回のまとめ
☆2020年現在、昆虫は約100万種確認されている。その内の約16万種がハエ
☆国内だけでも、ハエは約5000種発見されている。
☆多くの昆虫は前二枚、後ろ二枚の
☆二枚しか
☆カ(蚊)やアブ、ブヨやガガンボもハエ
☆ノミバエ
☆ノミバエ
☆ノミバエ
☆ミギワバエ
◇参考資料
ハエ学 多様な生活と謎を探る
篠永哲・嶌洪著 東海大学出版会刊
蠅たちの隠された生活
エリカ・マカリスター著 桝永一宏監修 鴨志田恵訳
(株)エクスナレッジ刊
ビジュアル 世界一の昆虫
リチャード・ジョーンズ著 (株)日経ナショナル・ジオグラフィック社刊
徹底図解 昆虫の世界
岡島秀治監修 (株)新星出版社刊
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