第13話 ポンコツ転校生と僕の妹16歳が修羅場すぎる

男子「(僕と妹の空白は3年。この間に、僕は中学生から高校生になった。つまり高校受験を乗り越えた。そしてたくさんのゲームやりこみ、アニメを見るようになった。今ではアニメがないと生きていけない体質になった。読書もアニメと同じくらい好きになった。アニメの原作から興味を持つようになり、いろいろなライトノベルを読み漁った。僕は、この3年間、濃密な時間を送ってきた。ただそこに、足りなかったのは、妹の存在だけ。沙織との思い出はゼロ。僕がどれほど、妹に会いたいと願っていたことか。その願いは叶うことはなかった。……が、突然ドアが開いて沙織が僕の部屋にやってきたのだ。はっきり言ってテンパっている。恐ろしく戸惑っている)」


男子「…………あのぉ」


妹「お兄ちゃんは黙ってて!」


男子「……は、ひゃっい。(沙織の厳しい声に、声が裏返った。)」


女子「私は、山本君と同じ学校に転校生してきた、佐藤凛だよぉ。それで、ちょっと事情があって、このお部屋に泊めてもらってるんだぁ。妹さんには、いろいろと説明が遅れてごめんねぇ」


妹「私は、沙織。詳しい事情はさっきママから聞いた。妹として、ひとつだけ忠告しといてあげる。お兄ちゃんはキモオタだから、近づかない方がいいと思う」


女子「山本君はキモオタかもしれないけどぉ。私は嫌いじゃないよぉ。そのへんは、それぞれの感じ方かなぁって思うなぁ。私は、山本君の回りくどい言い方とか、性格が好きなんだぁ。学校でも嫌な顔ひとつしないで、毎日毎日教科書を見せてくれるとても優しい人だよぉ」


妹「……あっそ。朝からイチャイチャしてると思ったら、学校でもイチャイチャしてるんだ。でもね、3年前までは私――!! お兄ちゃんと一緒にお風呂入ってたんだから!」


男子「……っ! ソレ関係ないだろ!」


女子「山本君は口出ししないでよねぇ。さすがに、今の発言はカッキーンきたよぉ。頭の血管がいくつか切れちゃったなぁ。私は授業中も山本君からエッチな目で胸のあたりを見られてるよぉ。本当の兄妹って、そういう目では絶対の絶対に見られないよねぇ」


妹「ぬぬぬっ! 私の胸だって、お兄ちゃんが見たら喜ぶに決まってる!」


女子「それはどうかなぁ。そんなつるペタな体で、お兄ちゃんが喜ぶとは思えないよねぇ」


妹「っきぃぃいいいい!!!」


男子「(妹と佐藤さんは、手に持った物を、物凄い勢いで投げ始めた。その手の回転速度の異常ぷっりはまさに戦場……。3年ぶりの再会に感動的なシーンは訪れなかった。そして妹系イチャイチャラブコメになるかと思いきや、このありさま。――イテッ、ノートが顔面に直撃したのだった)」



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