第201話「人物紹介(第二部 完結時点)」
カールソン家当主、ジェローム・カールソン 四十八歳
ルイーズの父親。
威厳あふれる壮年の師範。赤毛の総髪、簡素な黒い道着を身に着けて後進の指導にあたっている。
ルイーズが大失態を起こして処罰を受けて、近衛騎士団を追われた際に、王家に仕える者として致し方なく勘当する形になった。
そのことがあって、父娘の関係はギクシャクしていたのだが、ルイーズの名誉が回復されただいぶ後になってようやく回復した。何らかの話し合いがあったのだろう。
クーデター後の混乱で形骸化しているとはいえ、正式なシレジエ王家の剣術師範役であり、準男爵の地位を世襲しているシレジエ貴族でもある。
ジェロームがルイーズぐらいの頃には、結婚してルイーズが生まれていたので、そろそろどうかと娘の嫁ぎ先の案じている。
できれば婿をとって、カールソン家を継いで欲しいのだが、娘は嫌がっているようだ。
元海賊王 シレジエ
かつては、北海の海賊を糾合して大艦隊を結成し、海賊王とも恐れられた
北海で戦えば敵なしで、ブリタニアンや、ゲルマニアの海軍相手にも一歩も引かなかったが、セイレーン海に進出してカスティリアの植民地に手を出したのが運の尽きで、カスティリアの無敵艦隊に惨めな敗北を喫した。
海戦で、右目と左手と右足を失う。黒い眼帯を嵌めて義手義足の不自由な身体となっている。まだ、六十にもなっていないが白髪交じりの髪、黒髭も白くなり老人のように痩せ衰えて、トランシュバニア公国の首都ブルセールの土牢に捕らわれていた。
全てを失った男だが、黒い片目だけが往年の鋭さを持つ。
盗賊王ウェイクの仲介で、無敵艦隊を倒すというタケルに手を貸すことになる。
ちなみに、罪を許されて出獄後に傷ついた眼や手足を治療しようとしたが、あまりにも時間が経ちすぎていたために無理であった。
その代わり、義足をつけてもらうこととなった。
シレジエ義勇兵団海兵隊長 フィリップ・カヤック 二十四歳
シレジエの漁村。ガレー村にある網元の三男坊。潮風に焼けた赤茶色の髪と、日焼けした小麦色の肌のたくましい青年である。
海辺の民であった経験を生かして、新しく発足したシレジエ海軍の
七将軍筆頭 ブルゴス伯爵 ドンバルゴ・ブルゴス・ガステイヌ 三十歳
一瞬にして殺られたカスティリア七将の筆頭格。高位の貴族であり並々ならぬ将軍たちだったのだが、相手が悪すぎた。以下の将軍については、冗長になるので省略する。
ドンバルゴは見事な体躯の堂々たる上級貴族であり、鈍く輝く鋼銀の鎧を身にまとい、カスティリアに伝わる二対の
カスティリア軍の陸将は少ないので、グレーズ湾で殺られていなければブリタニアンとの戦いでそれなりに英雄譚を残せたかもしれない。
ちなみにガステイヌ家に仕える二十四騎もいるが、同じく瞬殺されたので割愛。
海賊砦の頭目 メアリード・リバタニア 二十七歳
変装が得意で、タケルと最初に会ったときはボロ布をまとって下女に紛れていた。
少しウエーブのかかった黒髪で蒼い瞳のとても美しい顔立ちだが、それを台無しにするかのように左右の頬に三本の大きな傷跡がある。青く走るそれは、鉤爪で引っ掻いたような醜い
祖国を追われ北限の地まで流されて、若い彼女が海賊の頭となるまでには数奇な運命があった。共に流されてきた女子供を守るためには、他人を騙し討ちして殺すことも厭わない悪党。
民を虐げる王族貴族を心の底から憎悪している。
無敵艦隊総司令長官 クルナ子爵 フィデリコ・クルナ・クルス 三十五歳
ブリタニアン攻略作戦を指揮するカスティリアの艦隊司令長官。
エリート海軍士官としての経歴を持つ提督で、前任の艦隊司令が戦死したためにお鉢が回ってきた。
司令長官としては新人ながら、豊富な次将経験を持つベテラン提督。
歳の割に苦労が多いらしく豊かな金髪には白髪が混じっている。男前ではないが、相貌には海の男としての風格もある。律義者で、報告書を詳細に書くため、書斎王フィルディナント陛下の受けも良い。忙しい艦隊勤務の傍ら、コーヒーと甘いおやつだけがフィデリコの楽しみである。
奇策を好む魔術師レブナントを内に抱えながら、その力を十全に使えるだけの力量を持った提督。
全体の方針を決定したのちは、部下の自主性を尊重する懐の深さを持ち、自身はあくまで堅実な作戦を着実に遂行して行って戦況を調整する難しい指揮をこなせる。
有能と言っていいだけの経験を持ちながらも、その物腰は低く謙虚であるフィデリコは、バランスの取れた提督と言える。
カストルの三羽烏 ヘストル・カストル男爵、パトル・カストル男爵、ダストル・カストル男爵
黒髪でちょび髭で、顔も似たり寄ったりの三人。
痩せっぽちのノッポ、太っちょチビ、そのどちらでもない中肉中背。
三人とも顔が似てるのは、親戚同士らしい。もともとは、カストルの街を治めていた領主の分家筋から派生した貴族で、カストルの街の近くの海沿いの小領主。三人とも、領地も近所で一緒に行動している。
単なる無能な腰巾着に見えるのだが、サラちゃんが近くに厚遇しているところを見ると、何かと使い所があるらしい。
新ゲルマニア帝国 新皇帝 ギラン・ラン
元々奴隷であったことと同じラストア氏族であった経歴を買われて、ダイソンの右腕を務めていた男。
帝都ノルトマルクの太守でもあった。
ダイソンの留守を預かったまま、ダイソンが死亡したために残党をかき集めて、新皇帝を僭称する。
ダイソン個人のカリスマに負うところが大きかった新ゲルマニア帝国を崩壊させずに、ノルトマルク堅持していたその才覚は大したもので、野心、才能ともに良将の域にあったといえる。
戦争でも最後まで前に出て戦った覚悟も見事だったのだが、その末路は他の賊将と同じように姫騎士エレオノラに首を討たれる始末であった。
プルポリス都市国家同盟 特命全権大使 アリッポス・ペロポネソス
金の縁飾りの付いた白いトーガを着た痩せたチョビ髭のおじさん。
プルポリス同盟国家の一つペイラエウス市の市長で、大使としてシレジエ王国と正統ゲルマニア帝国との交渉にあたった。
それなりに偉いらしい。
旅の剣術修行者 ムサイ
ローランド王国出身の武芸者。全国を傭兵や冒険者として渡り歩きながら、各国の剣術を学び独自の双剣術を編み出すに至る。
タケルと戦ったときはちょうど、カールソン流を学ぶためにシレジエに滞在していた模様。
商人の護衛の仕事を兼ねて、ブリテイン大島に渡る予定だとか。
元王国裁判所大法官 王立魔法学院教師 コーモラン・マロード 五十九歳
シレジエ随一の旧大陸法の専門家。
著作にリリエラ女王国時代の判例・法文を集めた『大陸法大全』がある。
元王国裁判所法官 王立官僚学校教師 コネーム・ユース 六十二歳
判事を引退してからは、教会法と世俗法を官僚学校で教えている教師。元はアーサマ教会の聖職者で、王国の法務官僚でありながら教会法にも精通している異色の経歴の持ち主。
現役法官時代は、教会権力と王国権力によって分断されていた王都シレジエの裁判権を調停して、一本化するのに尽力した。
ライル先生の官僚学校時代の先生でもある。
灰色の王子 佐渡タケルとオラクルちゃんの第一子 オラケル
本来、魔族は青みがかった肌の色をしているのだが、異世界人であるタケルと古の魔族エンシェント・サキュバスであるオラクルの混血児であるオラケルは、灰色の肌を持って産まれてきた。
髪の色も、黒髪のタケルと白っぽいオラクルの髪色を混ぜたような灰色である。
いと珍しき人族の王と魔族王の
勇者王と不死王の息子オラケル、灰色の肌と髪を持つ人族と魔族の融和の象徴たる血筋を持つ彼が、どのような若者に成長していくかは、また別の物語である。
バルスタン族の大族長 バルタン・バルスタン
バルスタン族は、
南方のロクソラン族と、
バルスタン族の大族長バルタンは、一声で精悍なる蛮族騎兵一万騎を動かせる蛮族王とも言える存在であり、三王国による討伐軍も魔族によるモンスターの侵攻も一蹴する強さを誇っている。
強い軍事力を持つ彼らが王権と呼べるほどの勢力を築けないのは、未だ交易や占領の利を知らず、一所にとどまるということをしないためである。
――――
付録『シレジエ王国後宮会議序列』
第一位 シレジエ王国 女王 シルエット陛下
第二位 トランシュバニア公国 公女 カロリーン殿下
第三位 ランクト公国 公姫 エレオノラ殿下
第四位 アラゴン王国 女王 セレスティナ陛下
第五位 ランゴ・ランド島(独立地域) 竜姫 アレ殿下
第六位 シレジエ王国 摂政 ライル閣下
第七位 シレジエ王国 宮内卿 シャロン閣下
第八位 オラクル大洞穴の主 オラクル妃殿下
第九位 アーサマ教会 聖女 ステリアーナ猊下
第十位 シレジエ王国 カールソン流師範代(準男爵) ルイーズ閣下
第十一位 シレジエ王国 最上級魔術師 カアラ様
第十二位 シレジエ王国 密偵部隊長・宮内警護統括 ネネカ様
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