第20話「正義、愛の告白」

案内人に案内されて面接官がいる部屋に行った。私の前には六人いて私が最後に入っていて「失礼します」用意されたパイフ椅子に座ると佐藤さんが面接官としていた。〈佐藤さん〉私が心の中で名前を呼ぶと佐藤さんは私が気が付いたことに気付き唇に人差し指を当てる。






真ん中に座っていた男性面接官が「それでは面接を始めます一番から順に事前に書いてきた作文を読んでください」「はい」一番の人は返事をして立ち上がる読み始める。六番が読み終わると「以上ですありがとうごさいました」「次の方」私の番が来て「はい」立ち上がると








「私の正義見守光私は正義が何なのかと聞かれても私にはよく分かりません、私は七年前前には両親を亡くし、それからは弟と一緒に仲良く暮らしていました私は三ヶ月前に一人の殺人鬼に出会いました、その殺人鬼は突然私達の前に現れ弟を殺しに来たと言いました」




周りが少しざわついて私はそれでも読み続ける「そしてその殺人鬼は弟をふざけたゲームのターゲットにしてそのせいで弟は色んな人から命を狙われるようになりました、私は愛する弟を殺人鬼からそしてゲームのプレーヤーから守る為になりたくもない警察官になることを決意しました」



さっきよりもざわつく「私の母はいつも市民を守る警察官でした、私はそんな母が私の誇りでしたですが七年前この世界に隕石が落ちて地球が消滅するかもしれないって時は母は自分の人生を懸けてこの地球を守りましたけどそんな母を警察庁の偉い人は母を見捨てたそんな警察を私は今でも恨んでいます」





私が面接官の警察官を見ると顔をしかめていた。「母がどうしてそこまでこの地球を守ろうとしたのか今の私には分かりませんが、警察官になって母と同じように市民を守れば母が何を思い何の為にそんなことをしたのか分かる気がするんです、だからこそ私は警察官にならないといけないと思いました」






〈お母さん見てて必ず警察官になるから〉「ですが今の私が正しいと思う正義は弟を愛しどんな未来が待ち受けていても必ず守り抜く事それが私が今信じる正義です以上で終わりますありがとうごさいました」私が読み終わると面接官も一緒に試験を受けてる人も全員私に注目していて




〈ん?何でこんなに私は注目を浴びてるんだろう?お母さんの話をしたから?〉私が疑問に思っていると「では次は最後に一つ質問します、もし警察官になったらどんな警察官になりたいですか?」男性の面接官が私達に聞く一番から順番に答えていき「では最後に七番の方」



「はい私が目指す警察官はもちろん母も尊敬し母のような警察官になりたいと思いますが私にはもう一人警察官として尊敬する人がいます、その方は私の母を心から慕い刑事の鏡だと言って下さいました、それに五年前私はある謎の組織に誘拐されました」




私は佐藤さんを見ながら話す「その警察官は私がどんなに冷たく突き放しても弟を守る為に利用したと分かっても私を拳銃を持つ三十人から必死になって守ってくれましたどんなに撃たれても倒れることなく最後まで」佐藤さんを見ると目から涙が流れていた。




「母の事があってから警察を憎み毛嫌いしその警察官は何があっても信じてはいけない、他の警察官は自分の保身しか考えていないからと思っていましたが今ではその刑事の方は私にとって信頼できる真っ直ぐな熱血刑事です、もし警察官なって刑事になったら私はその人の下で働きたいと思っています」






私の言葉を聞いた佐藤さんは声を出さないように手で口を押さえながら泣いていた。面接が終わって面接官が「それでは面接を終わります、一番から順に出ていって下さい」私達は退室して廊下を歩いていると後ろから誰が走って来る音がして後ろを振り返ると「光ちゃん」名前を呼ばれ抱きしめられた。





「えっ佐藤さん?どうしたんですか?急に」「ごめんね、光ちゃん凛さんを見捨てて凛さんを見捨てたけどそれでも光ちゃんはこの先何があっても守るから必ず」







「相変わらず真っ直ぐなぐらいに熱血ですね、気持ちは嬉しいですが、もしも私を本当に思ってるなら私じゃなくて周を何があっても守って下さい」「私は光ちゃんと周君両方守る」「……ありがとうございます、佐藤さんていうか何で泣いているんですか?」





「それは泣くよあんなこと言われたら私は光ちゃんに許されない酷い事をしたからか」「もう気にしなくていいですよ佐藤さん、私はもう佐藤さんの事は憎んでません、五年前あんな風に守られて憎めって言う方が難しいですよ」







「光ちゃん~」私を抱き締める力がさっきよりも強くなった「ごめんね、辛かったね、苦しかったよね?」「やめてくださいよ、いい年の大人がこんなところで泣かないでくださいよ」「だって……」「おいお前らこんなところで何抱き合ってるんだ?」「翼君」




「何で香織は泣いてるんだ?」「いや~これは……」〈何て答えよう泣いたのが私が原因でも私は何も悪いことしてないからな〉「取りあえず離れろ良い大人二人が抱き合ってるなんて他の人が見たら何やってるんだ?って疑問に思うかもしれないだろう?」私達は翼君の言葉を聞いて離れる。





「それより香織はまだ面接の仕事残ってるだろう?こんなところで抱き合ってる場合じゃないだろう?」「そうだった、光ちゃん、また連絡するね」「はい」佐藤さんが行った後私達は試験に戻った全ての試験が終わった「慣れないことしたから疲れた」独り言をブツブツ言ってる私は後ろから腕を捕まれてすいません振り返ると






「翼君?」「光ちょっと来い」「えっどこ行くの?」「いいから来い」私は翼君に引き連れられて誰もいない部屋に来た。「こんな所に連れてきて一体何なの?」翼君に聞くと「お前、作文の課題何て書いた?」「どうしてそんなこと聞くの?」「いいから答えろ」






「まあ簡単に言うと私は今は自分の正義が何なのか分からないけど私の今の私が信じる正義は周を愛し何がたっても必ず守り抜くことって答えたけどそれがどうしたの?」「お前はいつも周の事ばかり考えてるよな、俺がどんな想いでお前と一緒にいるとも知らないで」





「えっ翼君何言ってるの?」「まさかと思うけど俺の言葉を忘れた訳じゃないよな?」「言葉?」「車の中で言った言葉だ」〈確かあの時は……〉≪本気スイッチ入ったから覚悟しろ今後は本気で奪いに行く≫「えっあの時の言葉とこの状況どう関係があるって言うの?」





「お前、ここまで鈍感だったとは予想以上だな」「えっ翼君何を……」私は急に両手で顔を掴まれて唇に何かが重なる〈えっこれってまさかと思うけどキス?私今キスされてる?〉私は数秒でその事に気づいて翼君の肩を叩くけど全然離れてくれない






一分後に離れてくれて「これは一体どうゆうつもり?、私をまたからかってるの?」「これでも気づかないのか?」翼君は私を抱きしめて「一途なところ、何事にも一生懸命なところ」「えっ翼君?、どうしたの?急に」「家事が得意なところ、鈍感なところ、階段や石がも無いところでもよくつまずいて、自己評価が低くて」




「翼君?」「不器用で曲がった事が大嫌いで自分の事よりも周りを考えて、意地っ張りで、考えがすぐに顔に出て、泣き疲れたらすぐ寝落ちして、誰にも関わらず立ち向かって、完璧主義で……笑った顔がこの世界の誰よりも可愛い、好きだ、俺はそんなお前が好きだ」






私はその言葉一つ一つを聞いて涙が溢れる。翼君が離れると「お前何泣いてるんだ?」「えっそうゆう翼君こそ泣いてるじゃん」「お前の泣き顔の方が酷いぞ」「話は終り」私は部屋を出る「怒るな光冗談だって」そう言い追いかけて来るエレベータの前に立ちボタンを押して待っていると翼君が来て








「待て光冗談だって」エレベータのドアが開き乗ると翼君も乗る「光怒るないつもの冗談だって」「別に怒ってないよ」「ならこっち向け」「嫌だ」「やっぱり怒ってるんじゃないか」「そうじゃないけど今は話したくない」







〈怒ってるとかじゃなくて気まずいからさっきの告白のせいまさか翼君がそんな風に私の事を見てたなんて思いもしなかった、どんな顔をして話せば良いか分からない〉





「もしかしてお前さっきの告白気にしてる?」「えっ?」〈そんな直球に聞かなくても良くない?私だったらそんな風に聞けないよ〉「その顔は図星だな」「別にそんなんじゃ……」エレベーターのドアが開いた瞬間知らない男の人が現れて私に何かを向ける




「「!?」」すぐに拳銃だと分かった「光!!」翼君はすぐに私を庇うように相手に背中を向けた状態で私の前に立つ銃声が聞こえてきて「うっ!」「翼君!!」「……大丈夫だ光、何度だって俺が必ず守ってやる」







私の耳元でささやいた後乗ってきた男と翼君は私を守りながら格闘になり一階に着いてドアが開いた瞬間翼君は私を外に出した。私は地面に転がったが衝撃はあったけど不思議と体は痛くなかった。ドアが閉まると同時に「翼君!!」叫んだ後「光?どうした何かあったのか?」







見守警視監が来て「貴方には関係ありません」〈まずいこのままじゃ翼君が殺されるかもしれない〉私は立ち上がって非常階段の方に走っていく。「光待て!何があったか説明しろ!」追いかけて来る警視監に私は「貴方には関係ありません追いかけて来ないで下さい」





私はエレベーターが止まった六階に行くと「ハァハァ翼君!」私は開いたままのエレベーターの中を見ると全身撃たれた翼君の姿があった。「!?翼君!!」私が近づこうとすると後ろから腕を捕まれて「光!ダメだこの状態では翼もう……」「離してください、貴方には関係のないことです」





「関係ある俺は警察官だ!殺人現場を荒らされては困る」「貴方には情がないのですか?貴方は本当に権力にしか興味がないのですね、なんて残酷で冷酷な人」「……どんなに冷酷でも残酷でもこれが俺の仕事だ、それに権力がなければ大切な人を守ることは出来ない」





「なら貴方が見捨てた実の姉は大切な人ではなかったのですか?」「……手塚この者を別の部屋に連れていけ、事件の出来事を話すまでは決して帰すな」「はい分かりましたお連れせよ」「「はい」」二人の警察官が私の両腕を掴む「離してください、逃げる気なんて在りませんから掴む必要はありません」







警察官が離した後私は歩き出した。別の部屋に連れかれると「ここでしばらくお待ちください」私は席に座ると手塚さんと警察官二人部屋を出ていった。「翼君……」さっき見た光景を思い出す〈翼君ごめんね背中痛かったよね?あんなに撃たれて辛かったよね?ごめんね私のせいでごめんね〉

























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