第17話「叶わない初恋」

私は部屋に行くと「光様お体は平気ですか?女医呼んで来ます」「その必要はありません平気です」「ですが安静にしてと女医に言われていたのに走っていますお体が心配です」「本当に……」大丈夫ですと言おうとした時激発作が起きて息がしづらくなる







「光様!」呼ぶと同時に私の体を受け止める「これは発作、失礼します」七海さんは私に針を打つ針を打ち呼吸ができるようになって「光様大丈夫でございますか?医女を呼びします」「その必要はありません」「ですが……」「本当に大丈夫です、部屋で休めば良くなると思います」「かしこまりました、寝室に参りましょう」私は七海さんに支えられて寝室に向かった。






ベットに入ると〈何でだろう?昨日より体が重く感じるそれに発作も一回目より二回目の方が激しい、症状が進んでるってことか〉「私はこれで失礼します、私はリビングに居ますので何かあればこのベルで呼んでください」棚にゴールドのベルを置く。






「分かりました、私から一つはお願いがあるのですが」「はい何でしょう?」「翼君にはこの事を言わないでください」「……かしこまりました」自然と眠くなってきて目を閉じて眠りについたしばらくしてどれだけたっただろう







「ん~今何時だ?」私はベットから下りおうとするとリビングの方から「お待ちください、光様は今おやすみしております」「七海さん?、何の騒ぎ?」「光!どこ!居るなら早く出てこい」「えっめぐみ?どうしてここに?」「お止めください光様は今は……」







「退いて七海さんには用はない」どんどん声が近づいて来て寝室のドアが開く「めぐみ様お止めください光様は今は体調がすぐれないのです」「七海さん私なら平気です下がってください」「……かしこまりました」七海さんが寝室を出ると





「めぐみ私に何の用?」「周君に何したの?」「えっ私は何もしてないよ」「そんな言い訳聞きたくない!、光帰った後周君昨日よりも悲しい表情してた、それに私は聞いたんだ周君が泣きながら「光好きになってごめんね」って」






「……それはきっと何かの間違えだよ、周が私の事を好きになるはずないそんなのあり得ないだって私達は……」






「姉弟だからあり得ないって言いたい訳?そんなのただの言い訳じゃん光は結局逃げたんでしょ?周君の為にとか言って姉弟だから世間からは決して認めてられないそれを理由に自分の周君への想いから」「!?」「その顔図星って事だよね光はって本当分かりやすい」





「違う……全然違う!私は周のことなんか好きじゃないそんなじゃない私はただ周の姉として周を守りたいだけ、愛したいだけ私はそれだけを望んでいた」






〈それなのに自分の思いに気付いてしまった気づきたくなかった周を好きでいる自分なんかでも私は思ってしまった周と姉弟じゃなかったらどんなにいいかって〉「必死だね自分の気持ちを押さえるのに、まあ光がそれでいいならいいんじゃない私もそうしてくれた方がありがたいし」






「それってめぐみは周のことが好きなの?」「そうだよ、私は周君が好き、私は光みたいに悲しませないし、傷つけたりしない周君を一生大事にする自信があるだからもう周君に近づかないで今日はそれを言いに来た具合悪いのに押し掛けてごめんね」めぐみは立ち上がる




「めぐみ心配しないでいいよ私は周と結ばれたいなんて思ってないからもう周には会わない周にもそう言った、もし周が結ばれるなら相手はめぐみが良いと思っていた私は周を幸せにすることは出来ないけどめぐみなら周を幸せにできるかもしれない、いやしてくれなきゃ困る」





「光……」「周はいつも真っ直ぐで誰よりも優しくてでもその優しさが悪い誰かに利用されるかもしれないから目を離さずに見ててあげて周が不安な時は両手を握る癖があるからその時は優しく抱き締めてあげて」「……」





私の心は周で溢れていくその度に切なくなって目から涙が溢れる止めたいのに止まらなくていけど言い続ける「それから周は辛いもの、苦いものが苦手だから食事を作る時は出さないで、あとは周は疲れてると甘えて来るからその時は思いっきり甘えさせてあげて」




「あとは周が大丈夫と連呼した時は大抵大丈夫じゃないからどうしたの?って聞いてあげて、周は景色の良いところが好きだからたまには景色の良いところに連れていってあげて、あと嘘を付く時は耳を触る癖があるからその時はに言ったことは信じないで」




「周は本当に本当に純粋で優しい子だから私の分までちゃんと側で見守ってあげて」「……言われなくても分かってる安心してそのつもりだからじゃあね光」めぐみは寝室を出た後「周……情けない私をどうか許して」





〈私が周を好きだと気づいたのは高校三年生の春だった私はお母さんの死がショックで警察をずっと恨み続ける毎日だった〉五年前の図書室で私は周と係りの仕事のペアが一緒になって図書室で本の整理をしていると「姉ちゃんこっちの作業終わったよ」




周本の棚からひょこっと顔を出して言う。「私も今終わったよ」私は周の頬をつつきながら言う。「あー疲れた」周は私に抱き付く「全く図書員の先生スパルタだよね二人だけで三百冊の本を入れ返ろなんて本当にめちゃくちゃだよね」私はそんな周の頭を優しく撫でる。





「でも良かったじゃない二日で終わることができてそれって私達が優秀だって事でしょ?」「何それでも姉ちゃんが一緒にだったから俺嫌だと思っても最後まで出来たんだよ姉ちゃん大好き」「ウフフ私も大好きだよ周」






「あっ俺借りたい本があったんだ」「いいよ持っておいで私が手続きしてあげるから」「うん」周は走り出す私の方を見て「姉ちゃんありがとう」「ちょっと周前を見て後ろ向きに走ったら転ぶよ」「平気、平気うわぁ」「!?周!」





体勢を崩して倒れていく周を助ける為に走り出して仰向けになった周の頭を守る為に片手で支える私は周と一緒に倒れる 私の唇に温かいものが触れる〈えっこれって私もしかして周とキスしてる?〉私はすぐに周から離れると






周を見たら気まずそうに唇に手を当てていた。「ごめんね周わざとじゃなくてこれは事故で」「分かってる姉ちゃんが俺を助けようとしてくれたってこと」「うん事故だし気にすることないよ」「そうだよね、それより本を持ってきて」「うん」周が返事していったあと






〈えっどうしてこんなに胸が苦しいの?どうして周から目が離せないの?まさか私は周に恋してる?〉「えっマジで?相手は血の繋がった弟だよ?こんなことあって良いのか?」「姉ちゃん?大丈夫?どっか具合でも悪いの?」と後ろから周に抱きつかれて「うわぁ!」





「えっ姉ちゃん大丈夫?ごめん嫌だった?」「嫌だなんて思ってないよただ……」「ただ?」〈たださっきのキスで分かった私は周のことが好きなんだ〉考えるのをやめると「周私も何度も好きだと思う気持ちを必死に押さえたよ好きだよ周……大好きだよ」







〈もうこの気持ちを何があっても表に出さないからだから今日だけは許して今だけはこの想いを初恋だと思わせて〉私はそのまま朝を迎えた。スマホの目覚ましで五時に起きて顔を洗ってお風呂に入って着替えて 貰った鍵で翼君の部屋に行って朝食を作る。





「よし出来た今何時だろう?」腕時計を見たら六時を回っていた。「翼君そろそろ起きてくるかな?」「おはよう光」「おはよう翼君」「いい匂いフレンチトーストか」「うん翼君は甘いもの苦手だから甘さ控えめにしておいたから食べられると思うよ」







座った翼君は「本当に甘さ控えめだ、旨い」「ありがとうコーヒーはブラックでいいよね?」「あぁ」コーヒーをマグカップに注いで翼君に渡す、「ありがとう」食器を洗い終わり掃除機をかけている時に予知が見えた。「!?ここって警察庁?でも何で周が居るの?」次の瞬間周が撃たれたその人物は意外な人物で





「周!まずいこのままじゃ周が撃ち殺されるでもあの予知は三分後だし今から行ったとしても間に合わないなら今からリライフした方が早いよね」私は掃除機を置いて台所に行くと舌を噛み切り一日前にリライフした




私はリライフして目を覚ました時には佐藤さんの家の台所にに居た「何でここ?」〈よりにもよって何で周と会う前なの?まあこれはこれでいいか〉「光ちゃんどうしたの?」後ろを振り返ると佐藤さんが居て「佐藤さんすいません私このまま帰ります急用を思い出したので」





「えっ光ちゃん?どうしたの急に?」「すいません本当に」私はリビングを出て玄関に向かって走って行った。後ろから「光待て!どこへ行く」「光様お待ちください」二人は私を追いかけて来る。翼君に腕を掴まれて止まると「光一人で行くな」





「そうです光様は病み上がりなのです走っては体に毒でございます」「だったら一緒に来てどうしても行かなきゃいけない場所があるの」「行くってどこに?」「警察署山田さんに会いに行く」「えっ山田に?どうして?」





「事情はあとで説明するとにかく急がないと大変なの明日になったら周が殺されるの」「理由が分からないが言いたいことは分かった一樹車を回せ」「かしこまりました」七海さんが行った後七海さんは車を回して持ってきた、車に乗ると警察署に向かった。





着くと走って中に入って行った私は山田さんに電話をして警察署のロビーまで来てもらった。「光ちゃんこんな時間にどうしたの?」「突然呼び出してすいません少し人が居ないところで話せますか?」「良いけど一般人は中に入れないから外で話そう」




私達は警察署の近くの野原に行った。「で?話って何?」「単刀直入に聞きますがまさかと思うんですけど安藤が考えたふざけたゲームに参加してませんよね?」「!?」私の言葉を聞いた山田さんの表情は強張っていた。






「やっぱり参加したんですねてことは周を殺すつもりですか?」「光それは一体どうゆうことだ?どうして山田が周を殺すんだ?」「それは分からないけど私はその理由を聞きに来た」「その理由を話すつもりはない話が済んだのなら帰ってくれ」






山田さんは歩き出すと「待ってくださいまだ話は終わってません」私は山田さんの前に立つ。「退いてくれもう話すことはない」「私はあります私は何があっても周を守りたいそれに貴方を人殺しになってほしくない」「君には関係ない」






「あります私は周の姉です弟が危険な目に遭うっていうのにこのまま帰れませんお願いです止めてくださいあの子に一体なんの罪があると言うのです!」「俺だって!殺したくない、けど仕方ないやらなきゃ美桜が」「えっ美桜先生がどうかしたんですか?」








「!?とにかく帰ってくれこれ以上話すことはない」「待ってくださいそうゆう訳には……」翼君が山田さんの顔を拳で殴る。「翼君!」「このバカ!刑事が市民を危険な目に遭わせてどうする?お前は凛さんの言葉を忘れたのか?」「えっ?お母さんの言葉?」




「それにこの町の人はあの人が自分の人生を懸けて守った市民が大勢居る何より周は凛さんの息子だぞ、それなのにお前は周を殺すと言うのか?凛さんが最後まで刑事のしての正義を貫いたようにお前も刑事なら自分の正義を貫け」






「俺だってそうしたいけど俺は刑事の自分を捨てて周君を殺すつもりでしたがここでもうゲームオーバーだな」山田さんは拳銃を取り出して私に向けると翼君と七海さんが私の前に立つ「心配しないでください光ちゃんを殺しはしませんよ」そう言い自分の頭に拳銃を突きつける





「山田!」「山田さん!」「来ないでください!!ごめんね光ちゃん、本当に弱い人間だから罪のない周君を殺そうとした」「けどまだ殺してませんまだ間に合います」「無理だ!美桜を助けるにはこれしか方法がない俺のデスクの一番上の引き出しに手紙が入ってるから」





そう言い引き金を引いた「「!?」」「山田さん!」私はその場に座り込む。「こんな結末悲しすぎる」するとまた激しい発作が起きて「ハァハァ」私の視界はどんどん暗くなる「光!」「光様!」私は二人に名前を呼ばれながら気を失った。
























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