第13話「翼のピンチ、火事事件の謎」

「どうゆうこと?何で火事なんか……」「そんなこと今はどうでもいい早く避難するぞ」「うわぁちょっと翼君!」「黙ってろ」私は翼君にまたお姫様抱っこされて私は外に出た。外に七海さんが立っていて「光様お怪我はございませんか?」「はい」



「別の部屋をご用意したのでそちらでお待ちください、警察と消防には連絡済みです」「そうか、樹住人は全員無事か?」「大変申し上げにくいのですが……」「何かあったのか?」「はい、火事が起きた部屋の住人である富岡大樹様が生死がまだ分からない状態でございます」



「富岡さんが?もしかしてまだ部屋の中に?」「恐らくまだいらしゃるかと救出しようとしたのですが火がわたくしの体よりも大きなくなっており難しいかと」「そうか、それならしょうがない」「あのお話し中、申し訳ないんだけど、翼君下ろしてくれない?」





私の顔をみた翼君は「断る」「えっ何で?」樹、部屋に案内しろ」「かしこまりました」私の言葉を無視して歩き出す部屋に着いて私をソファーに下ろすと「樹、俺は知り合いの刑事に電話してくるから俺が居ない間こいつをしっかり見張ってろ」





「はいかしこまりました」「えっそれって一体どうゆう意味?」私が聞くと「お前には答える必要はない」翼君は出ていく「翼君もしかして何か怒ってる?私何か怒らせるようなことしました?」「それはわたくしからはお答えしかねます」「ですよね?すいません」




「ですがわたくしが見る限り翼様は光様を本当に大切に思ってるんだと必死な翼様を見て思いました」「えっ」「火事が起きたと気が付いた時翼様は真っ先に光様の元に駆け出しました貴女のお名前を叫びながら」「えっそうだったんだ、知らなかった」





「先程翼様が光様を離さなかったのは不安だったからではないでしょうか?五年間お仕えしてきましたあんな翼様の顔を見るのは初めてです、ですからわたくしは貴女興味が湧きました」「えっ私にですか?いえ何か誤解されてるみたいですが翼君は私のこと好きとじゃないと思います」





「といいますと?」「私と翼君は年の離れた幼なじみで私のことを妹のようにしか見てないと思います」「それはどうでしょう?」「えっそれはどうゆ意味で?」ドアが開き「香織さんに電話したらもうすぐ来るって」「えっ佐藤さんが?でもどうして佐藤さんに?」





「他の刑事は信用できない真実を隠蔽する可能性がある」「でも呼んだからって捜査に参加できるとは限らないじゃ……」「それなら問題ない香織さんの班が参加できるように手は打っておいた」







その言葉を聞いた瞬間〈まさかあの人に頼んだの?〉私の頭の中で一人の人を思い出す「とにかくお前はここにいろ」「えっどうして?」「この件にはお前は関係ない」「確かにそうだけどでもそれは翼君も一緒でしょ?なら翼君もここに居るべきじゃない?」




「俺は間違えなく警察の情報聴取を受ける」「マンションの管理者だから?」「……」翼君は黙り込む「お前は何があってもここを出るな、樹光をこの部屋から一歩も出すな何があってもだ分かったな」「はいかしこまりました」




翼君がドアに向かって歩き出した瞬間に予知が見えて、スーツを着た刑事らしき人達に連行されていく姿が見えた「!?翼君!」私は後ろから抱き付く「駄目行かないで翼君ここに居て」「……離せ」「嫌だ」「離せ!」「絶対に嫌だ!」





「光、大丈夫だことが済んだら戻ってくる」「翼君……翼君はこの事件の関係者なんでしょ?」「何だ予知が見えたのか?」「質問に答えてよ」翼君は私の方に体を向けて私の頬に触れた後「何泣いてるんだよ」「だって翼君にもう会えない気がしてそんなの嫌だから」




翼君は私を抱き締める「守ってやる何度だって必ず」「翼君?」私を離して「樹、光を寝室に閉じ込めろ」「!?」「かしこまりました」「ちょっと翼君!」「失礼します」今度は七海さんにお姫様抱っこをされる「えっ七海さん離してください、翼君、嫌!翼君!!」





私は寝室に入れられた私は翼君を見る「翼君!」呼んだと同時にドアを閉められ鍵をかけられた。「このままじゃ翼君が刑事達に連行される、状況が分からないから解決方法が見つからないスマホもないし財布すら持っていない一体どうすればいいか」




「翼君……」〈翼君が私を何から守ろうとしてるか分からないけどでも相当の理由があるんだないつも意地悪ばっかしてくる翼君は私がピンチな時はいつも守ってくれて、私が辛い時は何も言わす側に居て抱き締めてくれたそれなのに私は守ってもらってばかりだな〉





そんなことを思っているとし外にはサイレンの音が聞こえてきて「!?まさか!」ベランダの窓を開けるパトカーが止まっていて刑事達が姿がを見せた「まずいこのまま翼君が予知通り連行される」私はベランダの外に出て







「結構な高さだなでも行くしかない今はその方法がない」私はベランダに足をかけて壁を使ってゆっくり降りていく私は落ちそうになりながら時間をかけて30階から一階までたどり着いた「怖かった、死ぬかと思ったそういえば私四回死んでるんだった」




「痛って!そんな引っ張んなよ、逃げないから安心しろ」刑事に連行されてる翼君を見て「翼君!!」私は翼君に駆け寄ろうとするそれを佐藤さんが阻む「光ちゃん!」「光!何でここに?寝室からどうやって出た?」







「そんなのどうでもいい!私を何から守ろうとしてるかは分からないし今何が起きてるかなんて詳しいことは分からないけど私だって翼君を守りたい、もしも翼君が事件に巻き込まれ犯人と疑われているなら助けたい」「光……」





「私は翼君を信じてるから確かに翼君は意地悪だし口は悪いけどでも人を傷付けたり人の命を奪ったりすることはしないと思うから」「ん?光、今ちょっと悪口入ってなかったか?」「だって事実でしょう?」「俺そんな口悪いか?」佐藤さんに聞くと「少し乱暴ではあるかな?」






「ほら」私は佐藤さんの答えを聞いて翼君に言う「知るかよそんなのお前何しに来たんだ俺を助けに来たのかそれとも悪口を言いに来たのか?」「助けに来たに決まってるじゃん」「なら悪口を今言わなくて良いだろう何で言ったんだよ?」「何となく?」「何となくって」




「あの二人の世界に入ってる時に申し訳ないんだけど話の方向性が分からなくなってるだけど」「とにかく私が言いたいのは私に一時間だけ時間をいただけませんか?お願いで私にこの事件の謎を解かせてください、何があっても翼君を助けたいんです」私は頭を下げた。




「分かった、ただし一時間だけだよ」「本当ですか?ありがとうございます現場に連れて行ってください」「その前にその血だらけの足を手当てしてからね」「えっ本当だ通りで痛いと思った」「光まさか30階からた一階までベランダを使って降りてきたのか?」





「うん、何度か落ちそうになったけど」「はー!何やってるんだお前は!」「うるさいそんな大きい声を出さないでよ元々は翼君が悪いんだよ私を寝室に閉じ込めるから」「その辺の話は後で詳しく聞く取りあえず翼君の連行は一時間保留光ちゃんの手当てをする」





「それは大丈夫だ、俺の雇ってる女医に治療させる」「えっ五億のマンションの管理人で側近が居てそれに専属の医者ってもしかして翼君お坊ちゃん?」「そんなんじゃねえよ、ただ株買って大金稼いだってだけの話だ」「それをお坊ちゃんって言うんだよ?」「うるさい、」「光様!こちらにいらしゃったのですね」






「おい、樹!何やってるんだちゃんと光を見張れと言っただろ!!」「申し訳ございません」「ちょっと私が勝手に抜け出したの七海さんは悪くないよ、てか翼君がそんな指示しなきゃいけないじゃん、何でしたの?」「何でって……それはお前が知る必要はない」





そう言い私をまたお姫様抱っこする「うわぁだから何でお姫様抱っこ?翼君といい七海さんといい今日で四回目なんだけど平気だから自分で歩けるから」「うるさい黙れ、樹すぐに女医を呼んで来い俺は光を連れてさっきの部屋に居る」「かしこまりました」




数分後私は女医に見て手当てをしてもらって「終わりました」「ありがとうございます」「終わったら下がれ」「はい、翼様」女医さんは部屋を出ていった。「痛むか?」翼君がいつもより少し優しいトーンで聞いてくる。「少しだけでも大丈夫ありがとう」




「何であんな無茶した?本当に死んでたかもしれないんだぞ、やめろ、二度と今日みたいな事はするな」「それはどうだろう?自分でも分からないどうしてあんな危険な事をしたのか、けど嫌だと思った、翼君が容疑じゃとして連行されるのが」「光……」




「さあ時間も無いし事件現場に行かなくちゃ」私は事件現場に行ったリビングに入った瞬間「お邪魔しますうわぁ何これ?真っ黒けだ」「そうだろうな遺体も丸焦げみたいなしな」私は「何だろうこの香ばしい香りは、もしかして油?」





私はキッチンに行く棚を次々に開けて行くその様子を見て翼君は「何か分かったのか?」「まだ疑問は多いけどこれから検証する」私は油に含まれる種類を全部出して蓋を開けて瓶を嗅いだ後に部屋を嗅ぐ「違う、これも違う」




次々にやっていき最後に「これだ犯人はこれを使ったんだ」「えっそれを使って富岡さんを殺したと言うのか?一体どうやって」「これが凶器だとするなら自然発火を起こすにはまだ材料が足りない」「自然発火?」






佐藤さんがリビングに入ってきて「光ちゃん早速調べてるみたいだけど何か分かった?」「まだはっきりとはですが大体の仮説が立ちましたですがまだ犯人が誰なのか佐藤さん、お願いがあるのですが」「お願い?いいよ私に出来ることがあるなら言って」



「大変申し上げにくいのですが佐藤さんの部下方を全員をこの部屋には集めてもらえませんか?一対一で話がしたいのです」「その理由は?」「見えたんです予知がその人の部屋にはこれと同じ物が三十個の瓶を見ましたそれが本当なのか本人に直接会って確かめたいんです」





「まさか私の部下の中に真犯人がいるとでもでも?」「……はい」「光ちゃんがそう言うにはちゃんと理由がある、そう思うけどでもやっぱり信じたくない」「佐藤さん……こんなお願いするのは佐藤さんにとって酷な願いだとは分かってはいるんですが……」





「ちゃんと分かってる大丈夫誰が相手であれ私逮捕する、例えその相手が部下であっても罪を犯したなら止めてあげないと」「佐藤さんいくつか調べてほしいことがあるんですけど」「いいよ何でも言って」私は伝える「確かに可能性はあるけど分かった調べてみる」




佐藤さんは悲しそうに微笑んで部屋を出ていった「佐藤さん……」この事件に隠された悲しい決意があったことを私はこれから知ることになる














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