感想『きのうの春で、君を待つ』
八目迷著 (小学館ガガガ文庫)
あらすじ
『きのうの春で、君を待つ』読了。
東京を家出し、第二の故郷である袖島に帰ってきたカナエはそこで初恋の人であり幼なじみのあかりと再開する。そんな中カナエは夕方6時のグリーンスリーブスのチャイムと共に日付をを一定期間で1日進んで2日巻き戻る現象、「ロールバック」に巻き込まれる。そんな中、カナエはあかりに兄を死から救って欲しいと頼まれる。カナエは彼女の願いを聞き入れ、ロールバックを用いて時を遡り……と言った感じの物語。
感想と自分語り
八目迷先生の2作目は1作目同様に時間移動が物語の根幹に絡んできているものでした。
前作同様、ノスタルジックな風景描写、細やかでありながら冗長ではない文書には強く惹き付けられます。
前作『夏へのトンネル、さよならの出口』ではここぞという時にぶち込んでくる作品を象徴すると言ってもいい強烈な一文があって、それが作品を傑作たらせしめていたと考えています。
今作でも後半にかけての加速力は凄まじく、前半で2人のなんとも言えない関係性をしっかりと描いていたがために後半は物凄く心を掴まれました。
あと八目先生の作品の特徴なんですけど、物語に絡んでくる印象的なアイテムがあるのがいいですね。前作だとチェリオ、今作だとグリーンスリーブスに当たるんですけど、こういったものがものすごくいい味を出してるんですよね。
あとは、Twitterでも気づいてる人あんまり見かけないんですけど、前作読んでる人へのご褒美シーンもあるのでそこも期待してもらいたいですね。
八目先生の作り出すなんとも言えない雰囲気に浸る……前作もなんですけど、きっと話の面白さ以上にそういう作品な気がします。
こういうライトノベルもあるんだぞ。と僕の紹介集を読んでる人には知ってもらいたい。そして触れてもらいたいってつくづく思います。
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