こんな俺に居場所はあるのか。

@zaqger

第1話

俺はとある高校の高校2年生だ。どこにでもいる高校生だ。俺には二つの顔がある。


今日もいつも通り学校に登校してクラスに入る。

「おはよぉー太郎(仮)」

俺に話しかけてきたのはクラスの中心グループの一員、河原慎也だ。


「おはよう、慎也」と俺も軽快に返す。

「おい太郎昨日のテレビ観たかよ!あの凄かったぞ!」

なんでそんなテンション高くいられるんだよ朝からモンスター飲み過ぎたのか。なんて思いながら俺も相手のテンションに合わせ気味に返答する。

「あれは俺もやばいと思ったよ!特にあの状況で敵を撃ち抜いたところとか!」

「そうそうそこだよ〜、なんであの状況で撃てるんだろーな!!」


そんな感じで俺は朝の学校を迎えている。

朝からあのテンションはキツい。。。


そして休み時間、クラスの中心グループで集まって話をしているところに俺も行く。

俺もそのグループに入ってワイワイ喋る。そこに勿論女子もいる。

俺は女子と喋るのはそんなに苦手ではない。と、言えば嘘になるだろう。

なのでこの場合は女子はみんな妹だと思って話す。俺の脳内ではクラスの女子全員が妹の顔に変換されている。

このフィルターが無ければ俺は顔すらまともに見れないだろう。考えるだけで恐ろしい。


クラスの中心グループと昼飯も共にし、放課後も部活があるやつ以外はそのグループと帰る。

正直疲れる。


俺が唯一気を抜けるのは自分の部屋に一人でいるときだ。

もうひとつがクラスの地味メンバーと言えば聞こえは悪いが、その子たちといるときだ。

地味メンバーたちはよく俺の家に入れる。


クラスの中心グループのやつらにはうちは部外者は入れない主義などと訳のわからないことを言って入れないようにしてる。


正直、地味メンバーといる方が気が楽だ。

なぜなら相手に気を使わなくてもいいし無言の状態が続いても変な空気にはならない。

俺たちは信頼し合っているからこそである。


こんな風に俺は学校で二つの顔を持っている。

クラスの中心グループは俺がこいつらと関わっていることは一切知らない。

だが、地味メンバーのこいつらは、あのグループに属してる俺でも暖かく受け入れてくれる。


俺はクズだ。

クラスの中心グループに地味メンバーと関わっていると分かれば馬鹿にされる。

だから俺は堂々と地味メンバーと関わらず人目のないところでしか関われない。


そんな二つの顔を両立できる期間もそう長くはなかった。

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