第27話 蹂躙せよ!

 栄泉高校の一年生エース大原は、お調子者で自信家だが、傲慢でも横柄でもない。

 だが190cm近くあるその巨体ゆえに、上級生でさえ自然と威圧する迫力があった。


「いや~、ここからがスーパールーキー大原・ザ・グレートの伝説の始まりですね。ビデオちゃんと撮ってくれてますかね?」

「へいへい、マネジがちゃんとやってくれてるから、お前は試合に集中しろよ。相手は吉村からホームラン打ってるんだからな」


 栄泉の野球部は、合計で50人近くいる。

 その中にはちゃんと有力校を調べるスコアラーも複数いるのだ。


 白富東の春の躍進。その理由についても、ちゃんと解明できている。

 一つはシニアメンバーの入部。特にバッテリーだ。

 勇名館は五回まで抑えられた。球速までは分からなかったが、一年のシニア出身が、実質的なエースだった。

 そしてキャッチャーが負傷した後に交代したのも、一年生のピッチャー。

 二点は取ったが結局は打ち崩せなかった。相手投手が軟投型だったからだ。


 そして光園学舎も、軟投型の投手が最後まで投げきった。強豪が軟投型の投手に弱いのは、確かにその傾向はある。

 だがどちらも、無得点には抑えていない。対してシニアの本格派が来るなら、大原のスピードに慣れた栄泉の打力なら充分に勝負出来る。


 問題は相手の打力だ。

 勇名館から二本、光園学舎でも二本、ホームランを放った一年生。

 体格を見ればホームランバッターどころか、レギュラーさえ怪しく思える。

 だがそれも、一応理由はつく。勇名館も光園学舎も、エースはそれなり以上の速球派だ。

 ミートの上手い打者が、タイミングよく芯を食って、ホームランになったのかもしれない。


 だが栄泉も名門とは言え、東京で行われた白富東の練習試合までは、データを持っていなかった。

 もしも知っていれば、大介は全打席敬遠されたかもしれない。


 大介を別にしても、四番の北村は厄介だ。

 中学ではそれなりに名の知られた選手だったが、野球強豪校が特待生で囲い込むほどではなかったし、学業を優先すれば白富東への進学も当然だったろう。

 この二人は要注意。その指示は出ている。

 大原は大雑把な性格なので、キャッチャーがしっかりと手綱を握っていなければいけないのだ。




「とまあ、そんなことを考えているのではないかと」


 セイバーの言葉に、うんうんと頷く一同。

 ちなみに彼女は、今日初めて、野球部のユニフォームに袖を通した。

 一番小さいサイズだったのだが、それでもちょっとぶかついている。

 萌え死にしそうな二年が二人ほどいるが、放置しておいていいだろう。


 栄泉の思惑を完全に看破した上で、彼女は命じる。

「初回に二点以上取りましょう。どうすればいいか分かりますか?」

 二点。ナオと岩崎がいない打線でそれを取るなら、北村のヒットまでで二点取るのが現実的だ。


「一人塁に出て、俺とキャプテンで帰すってのが、一番ありえるんじゃないですか?」

「私の予想とは違いますが、それもありですね。そのために必要なのは、手塚君」

 指名された一番打者は、さすがに覚悟している。

「一番いいのが球数を放らせて四球出塁。最低でも変化球がないかの確認をお願いします」

「分かりました!」


 一番センターの手塚は二年生。野球が好きで自分も野球をやっている、野球オタクと言えるだろう。

 彼の年代で、明訓高校に唯一勝った学校は? という質問に「弁慶高校!」とすぐに答えられるものは少ないはずだ。

 そんな彼は足の速さを活かすため、ずっとセンターをやっている。

 一番打者にしては打率が悪かったのだが、セイバーの理論では一番打者に必要なのは、球を多く投げさせることと出塁率だ。


 ベンチから出ると、自軍のスタンドを眺める。

 応援団こそないものの、ブラバンを中心に応援の人は集まっている。

 だいたい200人ぐらい、と北村は言っていた。全校でおよそ800人ぐらいなのだから、四人に一人の割合で来てくれている計算になる。

 今年は強いという前評判もあるが、キャプテンの人脈が活きたのだろう。




 先頭打者への第一球は、そのバッテリーの特徴が表れる。

 初球、アウトローへのストレート。わずかにボール。

(今のが遅い方だよな)


「いいとこきてるよ!」


 キャッチャーの言葉に、確かにあの球威でも、低めに集められたら厄介だなと判断する。

 二球目。セーフティの構え。

 直前で外したのか、外角のボール。手塚はバットを引く。


 一年生のピッチャーには気持ちよく投げさせてはいけない。

 どれだけスペックが高くても、経験値だけは低い。そこが弱点だ。

 ジンだって岩崎相手には、気持ちよく投げさせることを重視し、ある程度それで打たれても仕方ないと判断する場合が多い。

 気持ちよさなど全く無視して、勝つための投球が出来るのは、直史の方だ。

 だから直史は劣勢からのリリーフでも投げられるのだ。


 三球目。手塚はベース寄りに構える。

 少し外れたら当たる。そんな場所に立つ手塚へ、大原は当てるつもりで投げたが、逆球で完全に外角のボール。

 元々手塚は、考えて打つタイプのバッターだった。それを、考えて出塁するに意識を変えるだけで、選択肢が増える。

 相手の球をどう打つかではなく、相手の投球を制限させることで、塁に出るのだ。




 結局四球で出塁した手塚に対して、大原はガツガツとマウンドを掘って、どうにか冷静さを取り戻そうとしている。

 ここで二番がジンであるなら、散々相手をイラつかせた後、普通に送っていくかもしれない。


「監督、指示は?」

「併殺にならないなら、なんでも構いません」


 北村の問いにセイバーはそう答えるが、その具体的な指示を出すのが監督ではないのか。

「たとえ併殺になっても、考えた結果なら構いませんよ」

 つまりセイバーは、実戦の中で考えろと。

 高校生に対して、しかも負けたら終わりのトーナメントで、なかなか厳しい指導である。


 もっともこういった局面を自分で考えるようになれば、それは確かに選手のレベルアップにつながるのだろうが。

 結局北村が出したサインは『待て』である。


 二番打者も確かにその指示に従った。

 ただしセイバーは、一塁走者に対して、サインを出していた。

(うげ、マジで!?)

 出来れば、というサインであったが、決まれば面白いだろう。


 二番への初球は、外角に外したものだった。

 それを見て、次にわざとバントの構えを見せる。

 初回であるしやらせればいいのにと、白富東からみれば思うが、あちらとしてはそのあたりの覚悟がないのだろう。

 栄泉のデータに対しては、セイバーは監督のものさえも抑えている。

 これが逆のパターンであれば、栄泉は必ず送りバントをしてくる。だから相手も送りバントを警戒しているのだ。


 一方北村は指示を変えた。セイバーからのランナーへのサインを確認したからである。

「監督、本気ですか?」

「孫子は言っています。兵は詭道なり」

 セイバーの計算では、正面から普通に戦っても、勝てる可能性はかなり高い。

 しかしこちらは一年のピッチャーを温存している。あえて不利な戦力で戦うことで、全体の戦力の底上げを図っているのだ。

 これは舐めプではなく、来年も見込んだ上での起用だ。ゴブリンを倒すのにSランクの戦力を当てても、経験値にはならない。


 手塚は一塁から声をかけ、大原にプレッシャーを与える。

 牽制をしてくるが、どうやら大原は牽制は上手くないらしい。

「セットポジションから投げるクイックは、かなり球速が落ちるようですよ。バントも簡単ですね」

 しつこく牽制してくるが、手塚はここしばらく、かなり走塁の練習をしてきた。そうそう刺せるものではない。

(いいよ、バッター勝負。送りバントでも、一つアウト取ろう)

 シード校を相手に一回の表なのだ。大原が豪快な性格をしていても、少しぐらいのプレッシャーはかかっていて当たり前である。

(おりゃ! やってみろ!)

 大原のストレートを、一塁線に見事に転がす。

 セイバーは試合では基本、送りバントは使わない方針だが、もし使う時は絶対に成功させるため、バントの練習は160kmでさせていた。

 これは動体視力が良くなり、速球を恐れなくなるという副次効果も与えていた。


 二塁は絶対に間に合わないと思った捕手の判断は早い。

「一つ!」

 ベースカバーに入った大原に、ファーストから送球がされる。ランナーがいるために少しずれたが、問題なくアウトだ。

「大原! 三つ!」

 その叫びに、手の中の球を適当に握っていた大原が、三塁へ向かう手塚の姿を認める。

(舐めるな!)

 握りの甘い送球は外れて、慌ててサードが飛び出す。なんとかキャッチしたもののタッチするような余裕はなく、三塁はセーフ。

 単純に盗塁の後に送られるよりも、バッテリーの受けた衝撃は大きかった。




 成功率は決して高いとは言えない作戦であった。

 それでも決行したのは、相手に与えるダメージが大きいと判断したからだ。


「セイバーさん、今みたいな冒険的なプレイは、統計的には良くないんじゃないですか?」

 ジンは意図を質すべく声をかけたが、先にセイバーは直史を呼んだ。

「白石君に伝言を」

「はい」


 耳元で囁かれた短い作戦に、直史は驚く。おそらくこんな指示を出す監督は、古今東西存在しない。

「このまま伝えるんですか?」

 さすがに確認を取ってしまう。

「はい、そのままで。急いでくださいね」


 バッターボックスに入ろうとする大介の耳元で、直史は囁く。

 ぎょっとしてベンチを見る大介に、セイバーはただ頷く。

「えっと、何を言ったんですか?」

 ひょっとしたらはぐらかされるかもしれないとジンは思ったが、セイバーは簡単に答えた。


「ホームランは打たないようにと言っただけです」

「……あ~、それは、ホームランを打とうと力まないように、ですか?」


 セイバーのこの回のノルマは二点だった。確かに大介がホームランを打てば、それは達成される。

「いえ、単純にホームランでランナーがいなくなるより、白石君が塁にいた方が、相手にプレッシャーを与えると思ったからです」

 言われてみれば、それもそうかもしれない。

 だがこの采配も、セイバーの理論とは外れている。


 しかしセイバーにはちゃんとした裏付けのデータがあった。

「先ほどのバントもそうです。単に確率の上で言うなら、手塚君に単独スチールをしてもらってから、三塁へ送った方が良かったかもしれません」

 手塚の足を考えると、確かにそれもありだ。むしろそちらが王道だと思える。


「セイバーの統計で敗北した試合を分析すると、ああいったリスクの高いプレイが成功していることが、結果的に勝利に高い関連性をあることを示しています。推測になりますが、何をしてくるか分からないという疑心暗鬼で、パフォーマンスが低下するからでしょうね」


 勝率では一位でも、ポストシーズンは敗北する。その敗北させたプレイを行えば、短期決戦のトーナメントでは有利になる。

 この先セイバーが、同じサインを出すことはないかもしれない。だがこの試合を偵察している各校のスコアラーは、間違いなく監督に伝えるだろう。

 そしてこれから先に対決するチームは、やりもしないプレイを警戒することになる。


 統計的に言えば、得点パターンが多いチームの方が、得点は増えやすい。

 そして多いパターンに対応しなければいけないと考えると、無駄にその分まで練習することになる。

 対処するためのシフトも用意しなければいけない。

 なるほどセイバーの弱点を、敵の弱体化に逆に利用するということか。

 統計とは別の考えだが、合理的なことは間違いない。




 打席に立った大介に対して、大原はなんとか落ち着く。

 小さい打者だ。中学生と言われても違和感はない。

 だがそれが春の大会で四本もホームランを打っている。おそらくミートがものすごく上手く、その反発力が飛距離につながるのだろう。

(だが、ヒットは打たさねえ!)


 大原の初球は、ややコースは甘いが低めに入っている。スピードも乗っている。

 安心したキャッチャーの目の前で、ボールが消えた。

 大介のスイングだと気付いたのは、後になってからである。


 強烈、と言うにはあまりに無慈悲な打球が、一直線にバックスクリーンへ。

 スコアボードを破壊して、センターの定位置まで返ってきた。

 呆然とする捕手に、崩れ落ちる大原。

 高校の公式戦、通算九本目となる大介のホームランであった。


 淡々とベースを回った大介は、さすがに呆れたようなセイバーに、心底申し訳なさそうな顔で謝る。


「すいません。ホームランにならないよう、一番深いところを狙ったんですけど、飛びすぎちゃいました」


 おいこら、と周囲は内心でツッコミを入れた。

「アメイジング……」

 MLBですらまず見ることのない打球に、セイバーもさすがに呆然とする。

「スコアボード割れたみたいだけど、あれどうすんだ? ひょっとしてお前のとこに請求が行くんじゃね?」

 直史の変わった方向に冷静な声が、大介を真っ青にさせる。

「マジで!? どうしよ、高いのかな?」


 いや、さすがにそれはないだろうが。

「あ~、素直に場外狙っておけばよかった」

 場外でなくても、普通のホームランでよかろうに。

「まあ、さすがにこのホームランは、相手のピッチャーにダメージを与えたでしょうね」

 単に上手く打たれたとか、風に乗ったとかではない。

 誰がどう考えても絶対的な、力の差がそこにある。


 続く北村があっさりとレフト前に運んだところで、さすがにピッチャーは交代した。

 今日はもちろん、しばらくは使い物にならないだろう。

 あまりにも暴虐的、陵辱的な洗礼は、この後大原を大きく成長させることになるのだが、それはまた別の話。




 一死一塁。ピッチャーは代わった。

 ここで何を選択するか。

「送って三点目を取ったら、もうほぼ決まりじゃないですか?」

 帰ってきた手塚がそう言うが、セイバーの意見は違う。そもそも二死からランナーが帰ってくる確率は低くなる。

「確かにピッチャーが代わって、少しは落ち着いたと思えるかもしれません。ですが相手の中で一番落ち着いていない者のことを考えると、バントよりも積極的に動きましょう」


「「初球スチール」」


 直史とジンの声が重なった。


 目の前ですさまじい破壊力のホームランを見せられたキャッチャーは、確かにまだ動揺していた。

 ここまで早く交代するとは思っていなかったので、投手も肩が作れていない。

 とりあえず初球はボール球のカーブ。

 そして北村が走った。

(ヤバ! 無警戒!)

 キャッチした後の送球が、上に大きく外れる。センターが素早くカバーしたので、三塁には進めない。


 確かにピッチャーは交代した。だがこんな状況で、肩も作らずにリリーフすれば、プレッシャーは大きい。

 そしてピッチャーは代わったが、キャッチャーは代わっていない。

「本当に相手を崩すなら、ピッチャーではなくキャッチャーを攻めるべきですからね」

 なるほどなあ、と感心する白富東一行である。

 計算出来るピッチャーを二枚作る学校は多くても、冷静で標準的なキャッチャーを二枚揃える事は難しい。

 特に控えのキャッチャーなどは、ブルペンキャッチャーになりうる。


 少し相手のキャッチャーが可哀想になる、白富東のキャッチャー二人。ジンは勉強になるなあ、と頷いている。

「今度こそ送りますか?」

 試すようなジンの言葉に、セイバーは首を振る。

「相手のキャッチャーは今、混乱の只中にあります。勝負を決める時には攻撃の手を休めません」

「いっそいきなり代打を出すとか?」

 大介の意見は面白い。確かに五番より打っている控えはいるし、なんなら直史か岩崎でとどめをさしてもいい。

「いえいえ、まっとうに対処するのは、相手を落ち着かせてしまいますから」




 打席の後ろの方に立った五番は、やや前傾姿勢で構える。

(今度こそバントか? いや、三盗も視野に入れないと)

 先ほどから相手に、先手先手を打たれていることには気付いている。

 流れが向こうにいってしまっている。どうにか冷静なプレイでアウトを一つ取り、落ち着きたい。

(バントならバントで、素直にアウトもらう。三塁にやっても二死なら、得点の確率は確実に低下する)

 要求した球は低めのストレート。打者はバントのバットを出す。

(やるならやれ!)

 前のめりになっていたキャッチャーのミットに、戻したバットが当たった。


 打撃妨害。キャッチャーの完全なミス。

 監督から伝令があり、内野はマウンドに集まる。

「とにかく落ち着いて、バッター集中な。色々やられてるけど、まだ点は二点しか取られてないんだから、正攻法でいこう」

 そうだ、まだ二点なのだ。

 送りバントや打撃妨害など、普通なら弱者の小技だ。


 しかしあのホームランだけはどうしようもない。

 ミートの上手い打者がタイミングを合わせただけでは、あの破壊力は出ない。ボールだけでなくバットも見失ったのだから、スイングスピードの異常さが分かる。

 次にあのバッターと対戦するとしたら、どうすればいいのか。

 ランナーが出ていたら、敬遠するしかないだろう。だが次に四番が控えている。

 内野との意思確認の間にも、キャッチャーは思考の迷路の中にいる。


 六番打者には、あっさりとバントをされた。

 キャッチャーの前。このタイミングなら二塁で刺せる。

 いや、無理だ。一塁のスタートが良かった。

 一塁へ。だが三塁に送るのは無理か? いや三塁へはもう到達する。こちらも速い。


 迷ったが、体が勝手に動いてくれた。一塁に送り、なんとかアウト。

「これで、なんとかツーアウト」

「キャッチャー!四つだ!」

 味方の叫びにキャッチャーは振り返るが、一瞬完全に集中力が切れていた。

 北村は三塁を過ぎ、ホームへと。キャッチャー前のバントで、ピッチャーもやや前にいたので、本塁のカバーがいない。

 慌てて戻るが、足が絡む。倒れることはないものの、完全に出遅れた。

 ボールを受け取ったキャッチャーが北村にダイビングタッチを試みるが、北村は冷静にそれを回避し、ホームを駆け抜けた。


 またやられた。これで三点目。

「三つだ!」

 まだ終わっていない。二塁に到達したランナーが、三塁へ進んでいる。

 完全に伏せた体勢から、キャッチャーは送球を試みる。ワンバウンド。三塁はセーフ。

 ツーアウトながら、まだピンチは終わらない。 







 ――これより七年後――


 高卒後、大阪ライガーズにドラフト四位で指名され、昨年ついに球団トップの勝ち星を稼いだ大原は、自分の転機について語った。


――ではそれが、野球観を変えたと?


 大原(以下大):そうですね。もちろんそれまでにもホームランを打たれたことはあったんですけど、あれはちょっとなかった。自分の野球の全てを否定された気になりました。


――けれども昨年はついにチームトップの成績を残し、タイトルも取りましたね。


 大:あれで本気で野球に取り組むことになりましたからね。ストレート一本で勝負なんて、今から思えばバカだったなあ、って。


――そして次に戦ったのは、秋ではなくて、次の春だったんですね。


 大:ええ、秋は対戦がなくて。それでまた打たれたんですけど、ここでまた折れちゃって。


――だけどまた立ち上がった、と。


 大:ええ、打者転向まで考えたんですけど、そこは怖い物知らずと言うか。今から考えれば、よくもやったもんだと。結局あいつらのせいで、甲子園は一度も行けませんでしたしね。


――今は甲子園をフランチャイズにしてますが(笑


 大:そこはもう、神様が僕を哀れんでくれたのかな、と。


 ――以下略――

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