第5話
「俺の知っている人?」
「うん。」
「ここに来てるのか?」
「来てないよ。魂は来られなもの」
確かにそうだ。
よくお盆にはご先祖様の霊があの世から帰ってくる。
でも、仏教では輪廻転生の考えがある。
矛盾している気がする。
「その知っている人って、向こうも俺を知ってるのか?」
「もちろん。赤の他人じゃないから」
「誰だ?その人は」
考えてみた。
俺は、両親はもちろん、両祖父母もまだ健在。
肉親で、故人になった人は、俺が生まれてからはいない。
「それが、ひとりいるんだな」
「誰だ?その人」
「訊いてない?親御さんから・・・」
「ああ。全く」
ゼルは、頭をぼりぼりかいた。
あきれてるのか、嘆いているのか・・・
その両方だろう・・・
「君の肉親でなければ、君をここへは連れてこないよ」
「どうして?」
「その人の希望だから」
どうしても、わからない。
「さっき、ここへ来る時に、君の結婚式の映像が出たの、覚えてる?」
「ああ」
「それが、ヒント」
「ヒント?」
ますますわからなくなった。
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