始まりの図書館で......

葉月治

第1章 出会って始まって

第1話 始まりの日常


 これは、俺がとある少女と出会ったときの話。 俺の平穏な毎日が少しだけかわった話。



「いってきます」

 俺の名前は軽井沢ゆうすけ、高校に向かうため家を出て見慣れた通学路を歩く。

まあ、当たり前のことだが一人っきりでは登校しないそこで見慣れた長髪の男が、声をかけてきた。


「おはよ~ゆうすけ元気~?」


 ああ、こいつの名前は、吉田ゆうき。まあ一応俺の友人だ。長い茶髪を一つに結んでいる。一応俺の友人である。


「お前は、いつも元気そうで何よりだ」

「もっちろ~ん。人生何事もたのしまなきゃね~」


 そう言って吉田は、俺の肩に腕をまわしてくる。まあ、こいつの扱いは、クラスの中でもだいぶ簡単な方だ。


「こらこら、くっつくな、あつい」

「そんなこと言って、雄介もうれしいくせに~」


 こんな感じで、俺のいつも日常は始まる。



 教室につくとやはり、俺の席の前にはショートヘアの女子が立っていた。


「おっはよー。二人は仲いいね~!」


こいつは、赤井なつき。背が低く人懐っこい笑顔が特徴的な明るい女子だ。


「おう、おはよう」

「なつきもおはよ~」


こう見えて二人は幼馴染だったりする。

 

 俺は、席について二人の話に耳を傾ける。


「最近さあ、とっても暇だよね~!」

「まあ~五月だ、もんねえ~」


そんな、くだらない話を聞き、ホームルームが終わり、昼休憩が過ぎ、午後の授業が始まり、そして帰路につく。

もちろん、見慣れた通学路だ。そして、吉田が適当な話題を振り俺がそれに反応し、家につき、宿題を済ませ、ベットにはいる。


 そんな、何も起きない、よく言えば平凡、悪く言えば退屈な毎日を送る。

俺の日常なんてものはこんなもんだ。


 そんなある日の帰り道、いつもの通学路で吉田はいった。


「ねえ~知ってる~?」

「なにをだ?」

「駅の近くにある小さな図書館の話~?」

「そんな場所があったのか?」


駅前というと、普通なら人がたくさんいるような、そんなばしょを想像しそうだが俺たちの思う、駅前は何かあるわけでもない、近くにスーパーがあるくらいの、

無人駅のことだ。


「そこの近くに~喫茶店がオープン

するそうだよ~」

「ふう~ん」


なぜだろう、俺は妙にその図書館のことが気になった。まあ、そんなことどうでもいいか。そして、そのまま俺は吉田とまた、適当な話題を出しそれに俺がうなずくばかりの会話が始まった。


家につき、いつもどおりの日常を終わろうとしたとき、ふと思った。


「そういえば、最近本なんか読んでいなかったな」


 ほんの出来心だったが、明日は、土曜日。何の予定もないないので吉田から聞いた図書館とやらに行ってみることにした。








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