夢日記

かえで

1日目



「お兄ちゃん!」




今夜のわたしは男の子のようだ、

夢の中で性別が変わるのは初めての事である。




わたしは兄と呼ぶ人とふたりで

今晩の献立を考えていた。




いつもごはんを作ってくれる父に

感謝の気持ちを伝えたかったのだ。




メニューが決まり、夕方まで兄と遊ぶ。

遊び場所は海だった。

船に乗り、海の上を猛スピードで駆け抜ける。

風と水しぶきがとても美しく、気持ちが良かった。




父の帰宅時間が近づいたので、ふたりで帰路につく。

買い物をしないことから、献立は家にあるもので考えたのだろう。




「ただいまー」




父が帰ってきた。

容姿は小日向文世さんに激似だった。

グレーのスーツを着ている。




「よし、作るぞ」

やる気満々で兄と決めた料理のレシピを

パソコンで調べる。

「牛丼の卵とじ」だった。




しかし、調べても調べても、

レシピのページがヒットしない。

なぜだ?レシピ無しでは作れない。

牛肉なんて調理したことがないのだから。




父が晩ご飯の支度をはじめる。

これではいつもと変わらないではないか、

焦る気持ちを抑えて必死に検索を続ける。

それでも欲しい情報は出てこない、、、。




振り返るとわたしが使うつもりだった牛肉が

父の手によりローストビーフになっていた。




「テーブルの上を片付けて」




父の言葉がわたし達の作戦の失敗を告げる。

あぁ、何もできなかった、、、

わたし達はどうしても父のために料理がしたかったようだ。

わたしは酷く落ち込みながら、

テーブルの上を片付けはじめる。



テーブルにはキルティングのトートバッグが2つ乗っていた。

その中には女性の写真や、書類が入っていた。




「僕たちが、、しっかりしていないから、お父さんは、、、、」




どうやら、バッグ含めそれらは

亡き母との思い出の品だったようだ。




わたしは父の新たな恋を願っていたらしい。




父と兄、ふたりの前で

ぼろぼろと涙を流す。




リンクして現実のわたしも涙を流し、

目が覚めた。




AM.5:35





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夢日記 かえで @erable0412

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