2020/08/05『頃来に際して千文字で綴る』

 やあ。盛夏の候、皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。この反吐が出る蒸し暑い日差しに晒されながら、いかが過ごしでしょうか。私は夏の猛暑と湿気に精神を摩耗され、今にも朽ち果てそうな枯れ木の如しであります。骨は拾ってください。

 さて、夏休みが始まり早五日が経過したが、特に大きな動きや活動は無く、ただ盛夏を彷徨う亡者の如く課外に参加する日々であります。それにしても八時半から一時半まで授業とは、最早課外ではないような気がするのですが。……気にしたら負けというやつか。

 小説に関しても些かの進捗も見られず、授業中うわの空で捻り出していたアイディアを、手持ち無沙汰な時にスマホのメモ帳に書き綴る程度です。果てして有意義な夏休みとやらを過ごせるのか否か……まあ、己が満足できればそれに越したことはないですが。誰彼が不利益を被るわけでもございませんし。

 え? なんですか? しゅくだい?

 藪から棒に何を仰るかと思えば。宿題ならとうの初日にこの手で八つ裂きにしたあと、火を付けて灰燼にしましたよ。嘘ですが。

 今のところ数学のワークにしか着手しておりません。他教科に関しては内容を把握してすらおりません。当然でしょう。如何せん課外に時間を食われ過ぎて、宿題と向き合う暇が無いのですから。課外が終わり次第取り組みますよ。多分。そのうち。恐らく。うん。

 ……別にフラグでも何でもないですからね。そうやって明日の自分にバトンパスを繰り返した結果、そのツケが休暇最終日にドンと回ってくるとか、はっ、冗談も甚だしい。そんな、まるで漫画のような展開になり得るわけが……

 ……

 ……

 ……真面目に宿題します。

 ああ、そうだ。勉強と言えば、月曜日に三者面談がありました。誰もが胃を痛めるであろう地獄の時間。当然ながら私の足取りは、地に敷かれたコンクリートに亀裂を入れるくらいに重かったのを憶えています。

 まあ、その割には意外にあっさりと終わりましたが。感染予防対策だろうけど。

 そしてその三者面談の際に通知表を教師から賜ったのですが、見てみると、『評定平均七七点、学年七七位、クラス七位』と記録されてありました。

 凄くね? 七が羅列してあるんだけど。ただ同じ数字が連なるならまだしも、まるで狙ったかのようにそれが七だからな。これはもう天上の神が『お前めっちゃ運良いよ』と直々に仰っているようなものだろう。今なら何でも出来そうな気がする。うおおおお。

 ……ゴホン。まあただの偶然に過ぎないが。

 もう特に書くことも無いのでこれにて失礼する。

 それじゃあ、ばいちゃ。










 蝉は『立つ鳥跡を濁さず』という諺を見習って欲しい。

 抜け殻でもビビるものはビビるから。

 

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