俺のメイドがかわいい。

犬神(╹◡╹)

【1話】メイド、襲来

「誕生日おめでとう隼人はやと。お前にメイドをやろう。」


「まじかよやったぜ。」 


16歳の誕生日。

平日のいつも通りの朝、父親と俺だけがいるリビングで告げられた。

俺はついにメイド貰うらしい。


「どんな人?」


率直な質問だった。

うちは代々続く朝凪あさなぎ家。

16歳になれば一人ひとりに専属メイドがつく。

親父にも母さんにも兄貴にも付いている。

そのメイドさんたちは全員が目を奪われるほど美しく可愛く、美しい。

ならば期待もするだろう。


「お前の部屋にあったエロ本とDVDから趣味や傾向を読んで.....」


「おい待て。部屋を漁ったってまじか?ざけんなよ!?思春期の息子の部屋を漁るなんて本当に人間か!?下衆!クズ!クソ親父!人間失格!」


野郎ぶっ殺してやる!!!

息子の性癖を覗くなんて親失格だ!

俺は親父の高そうなシャツの襟首を掴む。


「とびっきり可愛いお前の要望に合うような素晴らしいメイドを用意した。」


「パパ大好き!!!!愛してる!!!!」


親父に抱きつき感謝を込めて愛を叫ぶ。

さすが親父だ。一代で日本を支える会社を創立して経営した爺ちゃんの血を継いでいるだけある。

行動力の塊だ。


「で!その人はどこに?顔は?身体は?性格は?」


「慌てるな息子よ。すぐに。」


「届く?」


親父が腕時計を見て「そろそろだな....」とつぶやいた瞬間、家のチャイムが鳴った。


いつものゴツい黒服の人たちが何やら大きい木箱を抱えてリビングに入ってくる。


「さぁ、隼人。これがお前のメイドだ。」


「My maid is This wood box?」


「中にいるのだよ」


「中.....?」


言われるがままデカすぎる木箱をゆっくりと開けていく。

なにこれ怖い。

恐る恐る木箱のロックを外し、木箱を開ける。

すると。


「っっっっっっっっっっっっっっっっっっっ」


とんでもない美少女がそこに眠っていた。


整った顔立ち、病的にも見える雪より白いのではないかと思うほど透き通るような白い肌、

それと対象的に存在するロングストレートの黒髪。

細すぎず、太すぎない体。胸は少々乏しいが、他の全てが素晴らしい。

それに加え、俺の好みのフリフリのゴスロリメイド服。

ここに誰もいないのならば間違いなく襲ってしまっているだろう。


「どうだ息子よ。いいチョイスだろう。」


「パパ大好き!さすがパパ!!」


「喜んでもらえて嬉しいよ。拉t.......ゲフン。

連れてきた甲斐があったよ。」


「ん?拉致?」


「気にするな。親御さんの合意は得た。」


「本人は!?」


「大丈夫だ。少し抵抗したから眠ってもらって同意書にサインさせたがな。」


「大丈夫じゃねぇ!!犯罪だろ!!!!!!」


「親御さんはいいと言ったから問題ない。」


「問題しかないけど!?」


親父がやばいことをした。

何をやっているんだ!?


「お前の好みだろう?」


「いや、ドストライクだけども!?」


「ついでに。」


「ドユコト?」


もちろん俺には幼馴染はいない。

ついでに友達もいない。


「少し記憶をいじっただけだよ」


「お巡りさあぁあああああああああんん!!!」


親父がやりやがった!!

拉致は100000000歩譲っていいが

流石に記憶をいじるのはアウトだ!

俺は急いでスマホで110番を押そうとする。

それを遮るように


「ちなみに父さんは警察のお偉いさんたちとお友達だよ。」


「ちくしょう!!なんでもありじゃないか!!」


「まぁ落ち着け息子よ。」


「落ち着けるか!!犯罪はダメだ!!」


「世は金なのだよ。金さえあればなんでもできる。」


「だめだぁあああああ!!」


「じゃあ、この娘はいらないのか?」


「いらん!そんな犯罪に手を染めるくらいなら...!」


「隼人のことが大好きな娘だが?」


「それでもだ.....!」


「隼人のことを1番に考え、隼人のためだけに尽くす献身的な娘だが?」


「......それでも.....!!」


「性知識0に加え、清楚系。真面目、秀才」


「........!!」


「こういうタイプは夜はお前をもとm」


「やっぱり世の中は金なんだね!パパ!ありがたくいただきます!」


「手首がねじ切れんほどの手のひら返し。さすが我が息子だ。」


16歳の誕生日

俺、朝凪あさなぎ隼人はやとにはメイドができた。

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