青い鳥

美和子

青い鳥

幸せの青い鳥はどこにいるのだろうか。

「それは遠い場所ではなく、自分の身近に」

メーテルリンクが描いた童話の結末は

当たり前に知られているが、実際にはなかなか

自分の身近に隠れている「幸せ」には気が付かない。

なぜなら健康と同じ、いったんそれを

「失って」からでしか気が付かないからである。

じゃあ「失って」みれば気が付くのかと言えば、

人は誰しもあえて失いたくはないものだ。



青いといえば、隣の芝はつねに青い。

他人を羨ましく感じないではいられない。

SNSの時代には、簡単に他人のリア充が目に入ってくる。

自分も!とアピールし続ける生活にも疲れ果て、

「イイね!」も結局自分のコミュニティーの中だけのイイね、なのだから、その数に何の意味もなく、ただの自己満足。

自分の自尊心を慰め、また所詮、限られた世界で

お互いに慰め合っているだけなのだ。

それで日々の幸せが感じられるのならば、続ければいい。

そこに虚無を感じたなら、離れればいい。

自分が属しているコミュニティーから離れるのは

一抹の寂しさを感じるものである。

でも、きっと離れてしまえば、「自由」を感じるはずである。



「自由」

しかし、自由とは孤独で、自分に責任も発生するものである。

馴れあいはない。

孤独を感じたくはないが、嫉妬やSNSのフェイクの中では生きたくない……。

人は自分勝手な生き物だ。

しかし、真実はある。



「青い鳥は、案外、自分のすぐ身近にいるということだ」

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青い鳥 美和子 @Miwako-2020

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