第3話 アーモンド
カリフォルニアから来た種を 二人で大事に植えました
毎日 欠かさず水をやり 芽が出た時は泣きました
腰の高さまで伸びた時 ジェフリー君が折りました
しばらく眺めて つぶやいて 翌朝 君は消えました
かじられた樹は引き金を弾いただけ
お互い水をあげるのを忘れていた
今年もまた あの花が咲きます
桜より一足 早く春を告げます
カリフォルニアから来た種は 瓦の上まで伸びました
ジェフリー君の悪戯が 今でも幹に残ります
くびれた幹が胸の奥に引っ掛かる
今頃 君は何をしているのだろう
今年もまた あの花が咲きます
美しい薄紅色が咲き乱れます
二人だけが知っている花です
いつの日か観に来れるなら
それでいいです
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