第39話

今日は物理実験をしません。


遊園地に来ています。


時間的に最後のアトラクションです。


目の前には大きな観覧車があります。


戻ってきました。


「最後だから、観覧車にのってもいいでしょ。」


「いいよ。」


赤色のゴンドラの扉が開く。


「広いね。」


「うん。」


観覧車の回転は止まらない。


「ここらへんの高さからあのジェットコースターは落ちてるんだね。」


「絶対に今後もあれに乗ることはない。」


「今度来たら一緒に乗ろう。」


もうすぐ頂上に到達する。


「前に読んだ小説でね。観覧車を逆向きに回すとその分、時間が過去にさかのぼるっていう話があったんだよね。もしそれが本当にできたらさ、小学生の時に戻って学校が終わった後にごろごろするっていう生活をもう一度送りたい。」


「確かに、あの日々は楽しかったけど…。」


「けど…?」


「高校が始まったくらいに戻れればそれでいいかな。部活が始まったくらい。」


「そうだね。」


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