第31話

今日は物理実験をしません。


遊園地に来ています。


次に見えてきたのは、巨大なフリスビーです。


振り子運動をするアームの先に座席が設置されている円盤がついていて、その円盤が回転しています。


「振り子運動と回転運動を同時にするなんて忙しいアトラクションだね。」


「ねえねえ、振り子を見てると思い出すことがあるんだ。中学校の時に習ったことでどうしても理解できないことがあるんだよ。」


「何がわからないの?」


「地球が回っているということがわからない。」


「壮大だね。」


「壮大なんだよ。振り子を揺らすと同じ方向に揺れるでしょ、行ったり来たり。でもだんだん揺れていく方向がずれてくる。これが地球が自転している証拠だっ、て中学校で習ったんだけど、いまいちわからない。」


「なるほど。確かにわかりにくい。じゃあ、その振り子が北極点にあって、観測者が北極点にいなかったとしたら?」


「振り子の揺れる場所の中心と揺れる方向は変わらない。」


「うん。」


「でも、観測者は地球の自転によってその振り子との位置関係が変わる。」


「そう。だから揺れていく方向が元の方向からずれたら地球が自転していることになる。」


「わかった。でも、このアトラクションは元の方向からずれていくことはないね。」


「それでも地球は回っている。公転も自転もする。」


「あれに乗れば自然では起きないことができるんだね。」


「それでも僕は乗らない。怖いから。」


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