第26話
物理実験をしながら…
ペン、ハサミ、定規、ペンチを缶の中に向きをそろえて突っ込む。
カランカランと気持ちのいい音が響いた。
「ねえ、全然物が減らないんだけど。」
「生物室はさ、使うものが限られてるじゃん。」
「うん。」
「科学室は危険なものも多いからきれいに整頓されてるじゃん。」
「うん。」
「物理室だけはさ、何が使えるものになるかわからないから全部取っとくでしょ、で寄贈品とかもあるから簡単に捨てられないでしょ、で、変わった先生も多いからゴミ捨て場から使えそうなもの拾ってくるじゃん。」
「そうだね。」
「廊下にある、この教室に入りきらなかったもの見てみなよ、壊れたラジオ、壊れたサイクリングマシーン、壊れたスピーカー…。使えるものが一つもない。」
「エントロピーを増大させようとしているんだね。」
「エントロピーってつまりゴミだよね。」
「ゴミだけどいつか必要になったりするんだよ。ほら。」
手には先っぽにスーパーボールの付いた棒を持って背中をたたいている。
支点、力点、作用点~♪
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