第20話

物理実験をしながら…


「ねえねえ、奥からさ、ジグソーパズル出てきた。」


「めっちゃ可愛い、ミニチュアダックスフンドのパズル…。」


「トイストーリーにさ、ミニチュアダックスのおもちゃ出てくるじゃん。あんなようなおもちゃでさ、階段を降りてくるばねのおもちゃあるじゃん。もし、トイストーリーのやつがさ階段を降りてくると思うとちょっと怖いよね。違うおもちゃなのかな。」


「あれでやったらきっと顔面から床に突っ込むね。」


「手がちゃんと動いて顔をガードするように落ちてほしいよね。」


「たぶん手の長さが足りないと思う。」


「難しいね。それとさ、しっぽがあるとさ、イナバウアーして足が下の段につくときに邪魔だよね。」


「しっぽとる?」


「そんな残酷なことはできない。置物として飾ってあのばねに何かを挟んでいく。メモとか。で、ハリネズミみたいにする。」


「普通に階段を下らせても一時間くらいしか見てられないよね。」


「一時間も見てられるの。」


「見てられる。あっ、ピースが二つ足りない。」


「なんでこんなもの、ここにあるんだろう。」


「今みたいにちょっと物理っぽいものに思いをはせるため。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る