第19話

物理実験をしながら…


虹が窓の外に大きくかかっている。


「ねえ、もし虹に乗ることができるとしたら何する。」


「平凡だって言われるから言いたくない。」


「私はね、虹の上を歩いてそのふもとまで行って、そこにあるといわれるお宝を掘る。」


「きっと君はね、歩いているうちに思うんだ。ふもとは二か所あるって。で、君がどっちに行ったほうがいいか、両方とる手立てはないか考えて考え込んでるうちに太陽が沈んで虹が消えると思う。」


「私は迷わないよ。自分が一か所言って、もう一か所は君に行ってもらうから。」


空の虹は消えかかっていた。


「見ている人と虹の水滴を結ぶ線と太陽と虹の水滴を結ぶ線のなす角度が決まってるから虹は円弧状に見えるんだよ。だから絶対に近づけない。」


「虹って結構残酷だね。」


「片付け、再開しよっか。」


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