第6話
物理実験をしながら…
「あの雲さ、綿菓子っぽくない。」
「綿菓子っぽくない雲って何。」
「ないね。」
「うん、ないね。」
白い雲がゆうゆうと空を流れた。
「白色の曇って空気中の小さな粒で光が散乱しているから白く見えるんだよ。」
「知ってるよ。」
「ミー散乱っていうんだよ。」
「へえ、知らなかった。」
「知らなかったでしょ、知らなかったでしょ。夕焼けのレイリー散乱とは違うんだよ。」
「馬鹿にしてるだろ。」
「馬鹿にはしてないよ。得意になってるだけ。」
「俺を馬鹿にしてるから得意になれるんだろ。」
「馬鹿にしました。すいません。じゃあさ、もしさ、雲の上に乗れたら何する。」
「世界遺産を見て回る。」
「うわ、べただね。」
「結局、馬鹿にしてない?じゃあ、君は何するの。」
「今近づいてきてる台風に乗る。で、ぐるぐる回ってみる。で、自慢する。君に。」
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