鹿野さんはそっけない
白玉いつき
第1話
一
クラスのみんなが
授業中はいつも静かで手を挙げたり
これで成績が良いものだから、先生もきつく言えないでいる。
それに加えて言えば、
こんな
そのせいか、鹿野さんに
「付き合って下さい!」
男子からそう言い寄られた回数、実に七回。まだ、入学して二カ月だというのにとてつもない早さである。(
かくいう鹿野さんはというと、「ごめん」とその素っ気なさを存分に生かした断り方で、絶賛、
そのさっぱりとした性格と容姿が相まって、男子だけでなく女子からも
そして
〇
それはある日のことだ。
「鹿野さん、さよなら」
「しまった」
歩いてしばらくして、忘れ物に気がついた。
教室はすでに
机から数学の問題集を取り出すと、早く帰ろうと急いだ。何より、家には新作のゲームが待っているし、早くプレイしたいと思っていた。学校にもゲーム部みたいなのがあれば、
ぴろりーん。
その時、ポケットに入れていたスマホが鳴った。マナーモードでなかったことに少しばかり
「なんだ、妹か」
送り手は妹だった。
『クララが立った』
という短いメッセージと共に動画が送られてきていた。
「クララが立った?」
不思議に思いながら動画を再生する。そこには、まだ小さな子ネコが、妹に手をつながれ
その小さな
「クララ、めっちゃ
「きゃわいいいい!」
そんな声が耳元に聞こえ、
そして、声の主を見て、
「か、鹿野さん……」
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