物語の創り方7~推敲~

ここでは特に文章について語らせていただきます。

ずばり、推敲です。


みなさん、この推敲というものに、いったいどれほどの時間と労力を割いていますか?


おそらく多くの方が、「相当……」と応えるのではないでしょうか。


はっきり言います。推敲に、終わりはありません。だから、明確な締め切りを設けて「終わらせる」必要があります。


というのも、この推敲の罠にはまってしまうと、物語が先に進まないという絶体絶命の窮地に陥るからです。


よく言われていることですが、小説というのは完結させてはじめて価値があるのです。「未完の大作より、完結した凡作」という言葉もあるくらいですからね。


ここでハンターハンターとかいう化け物作品を持ち出すのはやめてください、あれは類まれなる例外ですし、漫画という媒体でもありますから!


読み手の気持ちになってもらえればわかるかと思います。完結していない作品を読みたいなんて、誰も思いませんよね? 至極当然のことです。


だからこそ、誰かに読んでもらうための作品であるならば、その物語を、小説を完結させなければいけません。


だけどここで、推敲という魔物が顔を出します。そしてその手には「完璧主義者」という名の武器を持っています。これが実にやっかいです。


小説を書いている人は、それもネットに投稿している方の多くは、自分の作品を世に出したい、できれば出版したいと考えているはずです。そうなってくると、どうしても、より完成度の高い一文、文章を積み重ねていきたいと考えがちです。


すでに出版されている小説(特に自分が大好きな小説)と自分の作品を見比べながら、ここはこうした方がいいい、ああした方がいいと思考錯誤をくりかえし、冒頭の章を何度も書き直す。ようやく満足のいく出来になったと思いきや、時間が経ったあとに見返すと、あらばかり見えてくる。そしてまた書き直す。


みなさん、同じような経験はありませんか。私もそうでしたし、今も気づくとそうなってしまっています笑


ですがここで、私がはっとした教えを書き残そうと思います。


「あなたが目にしているその大好きな小説は、編集者というプロの目を通し、何度も推敲を重ねてきたものである」


あたりまえなことを言うな、と思われた方もきっといるかと思います。だけど私にとっては「た、確かに~!」と胸打たれた言葉です。


もっとも重要な点は、「編集者というプロの目を通し」という部分。つまり、第三者がしっかり修正点を指摘してくれているんですね。これは非常に大きいかと思います。


少し話はそれますが、これまでカクヨムの投稿していなかった期間、別のサイトで自分の作品を晒してみまして、それを評価してもらったりしていました。


どれだけ自分が客観視できていなかったかを思い知りました。ホント、まさかここまで独りよがりになっていると思っていませんでした。これまでは冷静に評価できているつもりだったんですよね、それでちゃんと面白い! なんて思ってました笑


今も物語の内容そのものについては自信をもっていますが、だめだめだったのはその魅せ方と文章表現です。つまり展開と描写が、読む人の視点で考えられていなかったということに改めて気づかされた次第です。


何度も推敲をくりかえしてきた結果が、これです。何が言いたいかというと、自分だけの推敲であれば、いくら時間と労力をかけておのずと限界がある、ということです。そしてそのことに捉われるあまり、物語が先に進まず、完成された作品と見比べているうちに、自分の作品に嫌気が差し「筆を折る」という事態にまで行き着く可能性が……!


私が言いたかったことがお分かりいただけたでしょうか。まとめます。


1.遂行に終わりはない(出版化を目指しているような方は特に!)。

2.遂行に囚われると、作品を完結させることができなくなる!

2.第三者の目が入らない限り本当に大事な修正点は見えない!

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