アベンダーズ

八百八万

第1話 エリシュオンの危機

      君は知っているだろうか?

      伝説のヒーロー達の闘いを!


 「必殺お肉ソード!」

 「くらえ!ウッドチケッツ!」

 アベンダーズのリーダーアベルが巨大な肉切り包丁で敵を切り捨て、 カーンが木製手裏剣で後方援護する。

 「マスキング・プロテクター」

 アベルの妻アスペルアキエが呪文を唱えると、彼女の顔を覆っていた布がリボンの様に舞いシールドを作り出した。後ろには傷だらけで横たわるアッソーとモリッツ。

 街は破壊され、至る所に横たわる死体。

 この荒廃した星エリシュオンでヒーローの末裔たちは決死の戦いを繰り広げていた。

 かつて何度も世界の危機を救ったアベンダーズ。その功績は何世紀にも渡り世代から世代へと受け継がれてきた。

 そして今まさに9代目アベルが強敵に敗れようとしている。

 「フハハハ。片腹痛いわ」

 太陽の黒点ダーク・コロナから湧き出る暗黒エナジーを纏った生物兵器学者ブッカーンが空からアベンダーズを見下ろしている。

 「ダーク・エアロゾル!」

 「ぐわああああぁぁぁぁ」

 シールドを突き破り五人に降り注ぐ巨大な暗黒エナジー。

 薄れゆく意識の中、地上に降り立ったブッカーンを睨み付けるアベル。

 「諦めろ。この星ももうすぐ私の手に入る」

 2020年夏。

 TOKYOは滅びようとしていた。

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