戦闘美少女エルザの大冒険

空軍少尉エルザ・ロマーシカ

　私の国の陸続きの隣国は、すべてが私の国に敵意を持っていた。

　敵意というよりも、むしろ「憎悪」と表現した方が適切なのかもしれない。少なくとも隣国の政策当事者よりも、一般庶民レベルの方が憎悪の度合いは高かった。

　理由はいろいろある。

　私の国の建国時には、先住者をいろいろと理屈をつけてお払い箱にし、土地を収用するという政策が全国至る所で実施された。抵抗する者には容赦なく実力行使がおこなわれた。そしてそれは現在進行形で続いている。

　お払い箱になった者たちは難民となって近隣諸国に流出したが、そのなかの一部の者たちは、流出先の政府をスポンサーにして抵抗組織を結成した。正規戦闘では私の国の軍隊に対して勝算は皆無であるものの、彼らも馬鹿ではないから、正規戦闘を回避してテロや都市ゲリラとして、チクリチクリと私の国に攻撃を加えてくる。

　おかげさまで越境攻撃やロケット弾、爆弾騒ぎが後を絶たない。

　この間も私が利用しているスーパーに爆弾騒ぎがあって臨時休業となり、卵のタイムセールスという食生活上のビッグイベントを逃してしまった…。

「…卵返せ」

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