追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜

第52話

「いくつスキルを取得したのかしら？」

「4つだな。ユニークスキル1つと、エクストラスキル3つ」

「またユニークスキル……貴方いよいよ化け物じみてくるわね」

「失礼な……」

　ただミルムの反応を見るに、思っていたよりユニークスキルというのはすごいものらしい。

　いやすごいのはわかるんだけどな……。

　元パーティーですらフェイドはユニークスキルは一つも持っていなかったのを知っているし、他のメンバーも多分クエラ以外はもっていなかったと思う。

　要するに一応半人前とはいえ聖女レベルではじめて持てるのがユニークスキルということになる。

「ユニークスキルなんて、普通一つでも持っていれば最強種の一角になるものよ。あなたがおかしいの」

「もう三つ目って……実感がないな」

「ま、使いこなしてもらわないと宝の持ち腐れだけど」

「それもそうだな」

　実際に使ってみて慣れていきたいわけだが、今回のユニークスキルはどうやら使うとかどうとかそういうものでもないと言えばないらしい。

「ユニークスキルって、なんというか……その種族だったり個人の象徴みたいなもので、一つの目的のために使うものじゃないのよね」

「というと……？」

「今回の【宵闇の覇者】だけど、私の【宵闇の支配者】と同等のスキルで、宵闇に関わる全ての事象に影響力を及ぼせるスキルで……説明が難しいわ！」

　ミルムがパニックになっていた。

　いやでも、宵闇ってのは闇魔法の一種の死の力だったはず。それに関わる事象に影響を及ぼす……？

　確かによくわからないな。

「全体像はおいおい把握するとして、逆に今できることって何があるんだ？」

「良い質問ね！　闇魔法全般が極大強化されるのと、相手の闇魔法のコントロールを奪い合ったりすることができるわ。私が瘴気の流れを変えたのもそれね」

「え……」

　相手の魔法に干渉するのって……すごいな？　いやなんかもうすごすぎて見当がつかなくなってきたな。

「もちろん熟練度も必要だし、下手にコントロールを奪おうとすれば相手も自分も悪い影響しか受けないわ。闇魔法なんて特に、ね」

「まあそうだよなあ」

　闇魔法は強力なものが多い反面扱いが難しい。

　その扱いの難しい魔法で相手から奪おうなんてのは、しばらく無理だろう。

　となると今はこのスキルは闇魔法極大強化と考えておけば良さそうだ。

　いやそれだけでもすごいんだけどな……極大強化ってそれだけでエクストラ級だし。

　他のスキルも整理していく。

「そもそもエクストラスキルも……今いくつ持ってるのかしら」

「ぱっと浮かばないな……」

「本当に化け物ね……」

　ミルムに半ば呆れられるように、エクストラスキルの確認作業へとうつっていった。