第28話
ネクロマンスの契約は不死者を従えるものだ。
霊体で無くても不死の頂点であるヴァンパイアなら、契約は成立するだろうと踏んでいたがそこは本人も問題ないと言っているしいいだろう。
そして条件についても、従えるだけでなくお互いの約束事を決める形で出来ることがわかった。
となるとおそらくスキルが獲得できるはずだ。
──ネクロマンスに「盟約」が加わりました
やっぱり。
「じゃあ……」
なぜか手を前に組み、目を瞑って上目遣いでこちらを見つめるミルム。
「【ネクロマンス】」
盟約の条件はシンプルだ。
お互いを傷つけないこと。裏切らないこと。そんな感じだ。
「これがネクロマンスなのね。不思議な感覚ね」
──ミルム(ヴァンパイアロード)と盟約を結びました
──能力吸収によりユニークスキル「黒の霧」を取得しました
──能力吸収によりユニークスキル「夜の王」を取得しました
──能力吸収によりエキストラスキル「血液再生」を取得しました
──能力吸収によりエキストラスキル「黒の翼」を取得しました
──能力吸収によりエキストラスキル「闇魔法大強化」を取得しました
──能力吸収によりステータスが大幅に向上しました
──使い魔強化によりレイ、エース、ミルムの能力が向上します
「おお……すごいな……これ……」
「なにこれ?! 貴方何をしたのかしら!?」
「いや、ネクロマンスで契約したから力が共有されたんだよ」
「ええっ?! そんなことまでできたの?!」
「あれ? そういうもんじゃないのか?」
「私の知る限りではないわね」
そうなのか……。
便利だなと思っていたけどこれも何かのスキルなのか……? いやテイマーの延長だから取得しているだけか?
「まあいいわ。強くなった気がするし」
「それ以上強くなるのか……あ、何個かスキルをもらったんだが使い方教えてくれるか?」
「スキルをもらった……?」
「ネクロマンスで繋がった相手のスキルは引き継ぐだろ?」
「ええええ?! そうだったの!? 何を受け継いだのかしら?」
「黒の霧と夜の王ってのがわからないやつだな」
「ユニークスキルじゃない!? え、私まだ使えるわよね?!」
慌てた様子で何か準備をするとミルムの姿が霧に包まれた。
そして霧の一粒一粒がまるで生きているかのように動き出し……。
「夜の王、使えるわね」
無数のコウモリがミルムの周りを飛び回っていた。
「良かった。吸収って私の能力を盗られるわけじゃないのね」
ミルムは安心した様子で説明モードに移った。
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