疑心暗鬼

歩く屍

第1話 偽真の日常

 俺の名前は偽真いつわまこと


高校2年生で、部活は帰宅部という部活ですらないような、というか部活ですらない部活に勤しんでいる。


 そんな俺の、平凡な日常の一日を知ってもらおうじゃないか。


 自分の名前のように嘘や真実を見極めるような難事件ももちろん起きやせず、温かい日差しに挨拶するように背伸びをしながら学校へ時間に余裕をもって登校する。


 学校というのは不思議なもので、日常ともなるほど毎回通えば、行くだけなら苦痛ではなくなる。


 しかし、肝心な授業になると先生の声がオルゴールのように眠気を誘ってくる音に聞こえる。


 つまらないな〜と思いながらもテスト範囲だぞ!と言われるとすかさず慌てて真面目にノートにメモをとる。


 こんなふうになんとも言えないような平凡な日常の中で、俺は真面目にやって真面目にやらないという矛盾にも思えるようなことを毎日の目標にしている。


 だが、こんな毎日はつまらないだろう?変化が欲しいだろう?自分自身が変わりたいとは思わないか?、といるかいないかも分からない神が、いや神様の仕業かと思うくらいの出来事が次の日起こった。


 俺がいつものように、背伸びをしてから学校へと荷物の確認をしながらも登校していると、一人の女子に出会った。


「あの、すみません。朝霞原高等学校あさがはらこうとうこうはどちらでしたっけ?」


 どことなく惹きつけられる絵に描いたような可愛いその女子は、自分と同じ制服であり、同じ学校なのにも関わらず聞いてきた。


「えっと……君の名前は?、それに制服や学校が一緒なのに……」


 混乱する自分に、魅力的な笑顔を見せてからその女子は答える。


「あはは、ごめんなさい。私は魅輪絵美みわえみ。同じ学校だから声かけたんだよ?。転校してきたからね」


 俺は事情を知って納得する。


「じゃあ登校している最中なので、一緒にいきますか?」


「ありがとう!助かるよ」


 ということで、いつもの日常とはいかなかったが、魅輪さんと登校することに。


 ほとんど男子の友達としか喋らない俺は、緊張や不安をいだきながらも一緒に学校へ。


 だが話さないのも気まずいので、せめて何年生か聞こうと話す。


「え……と僕は2年生なんですが、何年生のクラスになるんですか?」


「2年生だよ。

 もし、同じクラスになったらよろしくね」


 しかし、この出会いから自分の日常に変化が訪れることを今は知る由もなかった。






























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