暗闇から小さな光へ
@korichan
第1話
私は父、母、姉、私の四人家族だ。何不自由もなく恵まれた暮らしをしていたと思う。
そんな私が摂食障害と診断されたのは高校一年の春だった。
私の姉は中学受験をした。私も家族の期待を応えるように姉と同じ学校を受験し見事合格した。親の期待を応えたいというより、こうした答えを選んだ方が喜ぶだろうというのが幼いながらわかる子供だった。
中学の一、二年のクラスは人見知りの私でも仲の良い友達が出来て勉強は大変だったが充実した毎日を送っていた。
しかし中学三年のクラス替えの当日私は体調を崩してしまい欠席してしまった。学生時代のクラス替えの初日は重要だというのは何となく皆感じるだろう。私は体調が治り登校したらクラスのグループは何となくもう出来上がっていた。予想通りだったが人見知りの私は中々話しかけることが出来ないまま日が過ぎていった。それでもお弁当の時間、教室移動など誰かしらと一緒ではないとと言うのがあった。そんな中クラスで浮いている子と仕方がないように私は一緒にいる事にした。その子は良い子だった。けれど私はその子と一緒にいるのを見られるのがとても嫌だった。
今まで放課後友達とおしゃべりをして帰宅が遅かったらしていたが中学三年の時は授業が終わり部活がない日はすぐに帰りの支度をし急いで誰にも見られないように一人で下校した。
そんな私はファッション誌を家でよく読むようになった。元々美容が好きだった私は毎日楽しい事がなくファッション誌のモデルに憧れ深く考えもせずダイエットを始めたのだろう。これが暗闇の一歩であった事も知らずに。
中学三年が終わり中高一貫校だった私はそのまま高校に入学した。その頃私はモデル並に細かった。その当時のは綺麗になれたことが嬉しくて異常な痩せ方をしたことは気付かなかった。周りの子に細いね!スタイル良くて羨ましい!と言われて更に私は太らないようにしなきゃと思いどんどん食事の量を減らしていった。この時仲の良い友達は数人気づいた。ちょっと最近変だよ?と指摘してくれていたのだ。部活の先生にも最近ぼーっとしてることも多いし何かあった?とも個別で呼ばれて聞かれたりもした。私はお洋服も綺麗に着こなせるし勉強意欲も高まっていて高校生活が充実していてなんでこんな事を聞かれるのか分からなかった。
少しして身体に異変が出るようになった。足の甲から足首が象のようにむくんでいたのだ。革靴もきついし登下校でさえ大変になってきたのだ。
そんな中健康診断の結果が返ってきて保健の先生から呼び出しがかかったのである。
異常な体重の減り方だけどダイエットしたの?と。
私は少ししましたといった。その場で体重を測らせられた。制服を着てるにも関わらず健康診断より更に体重が減少していた。私は何ともないので大丈夫です!!と言ってその後何事も無いように過ごした。その後担任の先生がお母さんを呼び出したらしい。その後どういう経緯でそうなったかはよく覚えていない。このころの記憶は脳が萎縮していたのだろう、あまり覚えていないのだ。
学校に通う事の難しくなった私は家の近くの町医者にかかる事になった。この頃の食事は大根の味噌汁1杯だけ。それ以外は口にしない。水分も受け付けない程だった。食事の時間以外はほぼ寝たきり状態だった。
その町医者にすぐに摂食障害ですね。と診断された。うちでは専門的には見れないから紹介状を書くと。
私は大変な事になっている事態をよく理解しないでいた。母親がご飯少しでも食べないとこのまま強制入院になるよ!と涙ながら言われていた。それでも太る恐怖が怖かった。強制入院の意味もよく分からないでいた。
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