第9話 同窓会

もちろん、同窓会へは行くつもりだった。だが、その早朝に夫に顔を殴られ、顔にあざが出来てしまった。隠すことができないくらい大きかったため、やむを得ずドタキャンしたのだった。


「顔にあざが出来たからだろ?」

「え、どうしてそれを……」

「同窓会でユリの姿を探してたんだ。けど、いなかったからおかしいなと思ってたんだよ。同窓会に来るって友達から聞いてたのに……」

「……」

「それで女子達が話している横を、通った時に聞こえたんだ。ユリが暴力を受けてたって。近所に住んでる人が、ユリの旦那がユリを叩いていたのを見たって」

「見られてたんだ……」


一度、外で夫に叩かれたことがあった。何かが、夫の気に障ったみたいだった。


「そこで、ユリが結婚していたのも知った」

「……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る