第7話 冷酷な言葉
「か、叶太、痛……」
叶太に押さえつけられた両手首は、叶太が掴む力を強くするごとに痛みが増した。
「誰のせいだと思ってんの? ユリが結婚するからだろ!」
「!? なん、で、それを……」
(結婚指輪、外していたのに……。もしかしたら跡残ってたのかな……)
「俺は、小さいころからユリがずっとずっと好きだった! 今だってこんなに愛している!! それなのに、ユリは俺のことなんか見てもくれない。それであいつと結婚して……ほんと知らなかったよ!!」
怖くて思わず目を瞑る私に叶太はそう叫んだ。
(怖いっ! 怖いっ! 叶太が怖い……。今すぐ帰りたい!!)
「……返して」
「あ?」
「私を返してっ! 何が目的なのか知らないけど返してっ!」
私は勇気を振り絞ってそう訴えた。
「……ほんとムカつく」
「っ……」
うるさい、と言った時と同じように、叶太はまた冷酷に言った。二回目でも私はやはり怖かった。
「本当に帰りたいのか?」
「……帰して、くださ……」
「こんなことされているのにか!」
「!?!?」
叶太はそう食い気味に言って、右手で私の着ていた上の服をめくった。
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