第5話 恐怖心

叶太の目はさっきまでのものとは全く違っていた。そして、震えながら見つめる私に叶太は口を開いてゆっくりと言い放った。


「……うるさい」


(……怖いっ!! あんな叶太見たことない……)


その言葉は確実に響きを持っていて、私に何も言えなくさせた。


(叶太は、目が合えばいつもほほ笑んでくれて、いつも優しく接してくれた。私に対して怒ることはなかったのに……。なのに、どうしていきなりあんな……)


信じられない叶太の姿に私は恐怖心を抱いたのだった。


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