異世界チート?いやいや、戦うより平和的に解決しようぜ?

無気力0

第1話 異世界にワタル

平和とは、争いの無い、互いに尊重し合える素敵なことを表す言葉だが、そんな物あるはずが無いんだ。

戦争、紛争、抗争、喧嘩ーーー

生物が存在する限り、それは絶え間なく何処かで行われる。

だからこそ、俺には仕事がある『仲裁人』としてーーー


仲裁人の仕事は、争いの両者の中立に存在し、原因追及を行い、解決策提示することによってその争いを治める仕事だ。

つまり、俺が平和を増やしていっていると言っても過言ではないんだがな!

それは冗談だが。

しかし、中立の立場と言っても、なかなか曖昧な物で依頼される場合に置いては、そちら側に有利なように立ち回ってしまうのも、人情と言うものだ。

なにわともあれ、俺としては問題が解決すればそれでいいのだ。


ワックスでシッカリと固めた髪に、スタイリッシュなスーツを見に纏い、ネクタイを締める


「じゃ、行きますかーーー」


パーーンッ!!!!


ピストルで撃ち抜かれた胸からは、尋常じゃない量の血が流れている


「えっ」


体温が失われて意識が無くなるのを感じる。

薄れゆく意識の中


「え?死ぬ?」


最後の言葉がこれとは、呆気ない物だ。

確かに、こんな紛争地帯に裸一貫で乗り込んで仲裁しようってもんだから、危険は付き物だが、生身の人間に鉛玉は反則だろ....

しかも


「子供に銃なんか、持たせてんじゃねーよ!」



(ん?どこだここ?)

意識が覚醒すると、ベットの上に横になっていた。


「知らない天井だ」


(うんうん、これがいってみたかった)

しかし周りに人はおらず、ベットの横に備えられている小さな棚の上に、水の入ったグラスが置いてある。


「夢だったのか?」


撃たれたはずの胸を確認するも、傷ひとつない。

でも、撃たれた感覚は残っている。

ついさっきの事なんだから忘れるはずもない。


「どういう事だ?」


「声が聞こえて来てみたのですが、目覚めたみたいですね」


部屋の奥から、女性が現れた。

服装は、ワンピースとでも言っておこう。

白のワンピースに、すらっとしなやかな腕が袖から伸びている。

ワンピースだと、体のラインまでは正確に判断し兼ねるが、その伸びた腕、そしてすらりと無駄のない太もも、ふくらはぎを見れば、間違いなく、そのボディは美しい事が想像できる。

そして、そのボディを想像困難にするまで、ワンピースに膨らみを持たせている胸


「Eかっ!」


「え?何が良いのですか?」


「いや....」


(危ない危ない、ついついポロリと口から危険な言葉が飛び出すところだった。)

人を顔で判断するなとは、散々言われてきたが、俺は顔で判断などしない良い男なんだ。

その体で語る男なんだ!

と、言いつつもどれどれそのご尊顔は....

見上げるとそこには、ショートの髪型に、どちらかと言えばボブに近いのか、前下がりボブの様な髪型に、一切ムラのないブロンドには天使のリングがあり、そして吸い込まれる様な大きな瞳が俺を迎える

す、吸い込まれるっ

と言いたくなる程の瞳は青く、まるで世界から雲の消えた空の様な蒼穹を連想させる

(す、吸い込まれるっ)

その危険な瞳の下には、可愛らしい小鼻がそっと目立たない様に、かといって主張が無いわけでもなく他の素材を引き立てるよう、まるで彩の良い魚をより際立たせるツマの様にそっとあしらわれている。そしてそのツマの影響を受けている唇。

唇は薄く、若干の照りを感じられ、その潤いを持った唇は発光の良いピンク色をしていて、可能であるならば触れて確認してみたいものの、もし触れてしまえば、その調律の取れた潤いに歪みが生じてしまうかもしれないと思わせる、だが、しかしそんな唇に

(すっ吸い込まれーーー)

そんな事を刹那の間に感じ取れてしまう程の

美しさとプロポーションはまるで天使の様だ

まさかここは


「天国かっ!?」


「いえ、エンス村です」


彼女は至って冷静だった。

そして、体を起こして彼女の話を聞くことにしたーーーーー


話によると、この世界には様々な種族が存在しており、生存競争が常に行われているとの事、人同士の戦争、魔物との戦い、多種属との戦いが常に、この世界では行われているらしい。

そして、彼女はティアと名乗った。


「なるほど、ところで俺は何故ここにいるんだ?」


「2日前の夜に、村の近くの森で倒れていたのを狩りの後に見つけたので、連れて来てしまいました。見たところ武器も持っていなかったので、あのままでは魔物のエサになるかもしれないと思ったのですが...迷惑でしたか?」


「助かりやしたっ!」


幸運にも、死んですぐ死ぬ所を救われたみたいだった。


 こうして荒井 航 (あらい わたる)は、異世界に転移したのだった。

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