裂けた翼

BULLETandARROW

第1話 待望の女の子

ウィン族の赤ちゃんは背中に翼が生えた状態で生まれる。それらは純白で年を重ねるとともに大きくなり、やがて一定の大きさになったら成長は止まる。それを使って飛ぶことが出来た。


午前3時23分、ある家族に女の子が生まれた。待望の女の子であったからとても喜ばしいことであったが、家族は生まれた赤ちゃんの衝撃の姿に言葉を失った。片方の翼が中央部分で裂けている。なぜこんな赤ちゃんが生まれたのか理由は分からない。家族は赤ちゃんをフーラと名付けた。家族は裂けた翼を口外せずに育てようと決心した。裂けた翼を隠すために買ってきた翼のためのはおりものを着せられた。


大きくなってから母はフーラに裂けた翼について話した。その時、フーラは自分を完璧じゃないと思った。それと同時に、「自分の裂けたこの翼は、みんなの翼は何のためにあるのか」を考えるようになった。だが、答えはずっと見つからないままだった。


はおりもののおかげでバレずに済むが「脱がない」のと「家族なしで外出してはならない」というルールを守らなくてはいけなくなった。

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